日本では現在、オフライン進出をかけたVALORANT Challengers Japan 2023 Split 1 Playoffが開催中。そこで当サイトではプレイオフ進出を果たしたSCARZのコーチを務めるFadezis氏に独占インタビューを実施。SCARZのコーチに就任した理由やコーチの具体的な仕事内容、チームを強くするために必要なことなどお聞きしました。
SCARZのコーチに就任したきっかけを教えてください。
BLUE BEESは昨年、VCT 2022 Japan Stage 2に向け新しいロスターを編成しましたが、Week1のオープン予選では敗退してしまいました。そこで新しいコーチを探していたKr1stalから私に連絡が届きました。
私はその時、本業の仕事以外で複数のCISチームをアナリストとして手伝っていました。当時まだコーチとしての経験が浅く、実績もないため、BLUE BEESに無給で手伝うことにしました。またロシア東部に住んでいるため、時差の都合上、CISやEUのチームで活動をすることは難しく、日本の時間帯の方が好都合でした。
しかし健康問題や技術的な問題など、多くの問題に直面しました。それでも常に敵に対して良い戦いをしようと努力し、VCT 2022 Japan Stage 2でプレイオフベスト6という結果を出すことができました。1ヶ月足らずでこの結果は間違いなく良い結果だと感じています。
コーチとして着実に結果を残し続けていますが、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
まず、強力なメンバーと共に戦えたことが幸運でした。
しかし、それと同時にCS:GOとVALORANTのコンテンツ(様々なコーチの動画、インタビュー、ガイド、記事、VODレビュー)をたくさん見ました。FPSゲームは規律とコミュニケーションが重要です。VALORANTは特にそうだと考えています。
ラウンド中に起きる様々なことに全員が適応し反応する能力が必要です。それにはマップの状況を常にチームメイトに知らせることが求められます。
ゲームだけではなくメタは常に変化します。何が良くて何が悪いかを理解する能力が必要です。そのため、チーム内で最初に修正したかった問題はコミュニケーションでした。
当初、言語の問題でチームのポテンシャルを十分に発揮することができませんでした。試合中だけでなくゲーム外での会話、人間関係の構築、フィードバックでのミスや改善点についての話し合いなどにはコミュニケーションが一番重要です。
コミュニケーションの次に修正したことは、メンタルです。これは経験を積むことで身につくものです。例えば問題をチームとして対処しお互いに助け合うことや適当なプレイを減らすことが大切です。
次にプレイの振り返りです。殆どの選手は試合を見返したり、ミスを探したり、それについて議論するのは好きではありません。それは退屈なことで、選手たちはゲームをプレイしたいのです。ゲームセンスが欠けているトッププロも少なからずいると思いますが、彼らはそれを怠っていないのです。
プロの試合や自分たちのスクリムを見ることは非常に重要です。まず自分たちのミスを改善し、そして相手のミスを分析しそれを戦術に活用します。Tier1チームのプレイを分析して試合中にどう対応しているのか、どうクリエイティブに戦うか、戦術を参考にします。またそれらを通して、珍しいポジションやスキルの使い方、チームプレイ、フェイク、配置、珍しいクレジット管理などゲーム理解を高めることも必要です。
そして、基礎的な部分や対応力、セットアップ、戦略についても私たちはかなり修正しました。選手の能力を最大限に発揮させるため、選手5人に全てのエージェントをテストし、選手一人一人が快適にプレイできよう個々のプレイスタイルに合わせながら、最大のポテンシャルを見出せるようにロールスワップを行ないました。
しかし、私一人で全てやっている訳ではありません。アナリストのmossさんは大いに助けてくれます。私はいつも彼の意見に耳を傾け、非常に尊敬しています。
選手ではなく何故コーチを選んだのでしょうか?
私の夢はIGLになることでしたが、選手として才能がありませんでした(笑)。私はチームの問題や間違いを探し、その問題をどのように解決すべきかを説明するのが大好きな人間です。そのためコーチの役割は私にぴったりだと思っています。
フラクチャー、パールでのフェニックスピックはEMEAから参考にしているのでしょうか?
私たちはEMEAから学ぶのではなく、自分たちにとって何が一番効果的かを常に研究しています。第一に現環境のメタではなく、自分のチームとって何が良いかを考えています。
他人のコピーではなくカスタムやスクリムで自分たちにとって何が最も効果的で、自分たちのパフォーマンスを発揮できるエージェント構成は何かを研究しています。
そして、他の人がやっていることをただ真似するのではなく、常にチームメンバーの強い部分や長所に沿った構成を作るように意識しています。
チームを強くするためにはどのようなことが必要だと考えていますか?
時には衝突することもありますし、気持ちが落ち込むこともあります。しかし私は考えや感情を隠さないように選手たちに呼びかけています。最も重要なことはお互いの話を聞き、問題について議論し合うことです。それを心がけることで、互いに成長し、互いをより信頼することができるようになります。
そして衝突するのではなく、一緒に議論することを学びました。問題に直面した時、その問題に対処し解決できるチームは強い選手だけを揃えたチームよりも強くなれます。
Crazy Raccoonには惜しくも敗れてしまいましたが、今のお気持ちをお聞かせください。
次の試合にリラックスし、冷静にプレイできるよう、試合後に今回の敗北について話し合うように選手たちに伝えました。また、今は負けてよかったと思っています。すべてが上手く行き過ぎていたので調子に乗りすぎないように負けることが重要でした。
最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。
eスポーツは発展途上の業界です。eスポーツ業界に参加している以上、私はプレッシャーとストレスを感じる場面が多々あり、時にはメンタル的に疲れてしまう場面もあります。
しかしどのようなことがあっても、この業界に参加するすべての選手、スタッフには敬意を払うようお願いしたいです。特に若い選手はそれを気にする傾向があり、将来に影響を及ぼす可能性もあります。人間ですから、時にはミスをしたり、判断を誤ったり、調子が良くない1日もあります。
誰もが勝つことに全力を注いでいますが、時には満足いかない結果が出る時もあります。そのことは選手自身やチームが一番理解しています。憎しみは何も生みませんが、皆さんからの応援やアドバイスはいつも励みになっています。ありがとうございます。
- Kr1stal (@Kr1stalru)
- Yoshii (@YoshiiVLR)
- 善悪菌 (@zennakukinn0330)
- TORANECO (@toraneco617)
- Jemkin (@Jemkin1)
- moss (@mossCSGO)
- Fadezis (@FDZSVLR)
コーチ気になってたからめちゃくちゃいい記事!
返信削除とんでもないイケメンで草
返信削除VALOのロシア勢の中では一番じゃないか
よくコーチにはゲームでの実績が必要って言ってる人にこの記事呼んでほしいな。
返信削除dfmみたいなパシフィックリーグチームになると話変わるけどな
削除メロフォさんはゲームでの実績あるから無能でも大丈夫ってこと?
削除リーグチームになっても話は変わらないけど
削除ただその個人が無能ってだけで
単純な疑問だけど、ロシア人二人のチームってアセンション勝ち抜いても多分EMEA枠2人になるからPACIFICにこのまま参加できないけど、どうするんだろうな。(PACIFIC地域内なら無制限、他2地域からは1名までだったはず)
返信削除まぁ、彼らも物理的にPACIFICの方が近いのは分かるけどさ。
そもそも、昇格後を考えてチームを作らないチームの問題かもだが。でも確かに結果出さなきゃスポンサーも付かないけどさ。
SG「….」
削除アセンション組は2人入れれるってどっかで見たよ
削除参加できるようになりましたよ。
削除インタビューを英語から日本語に翻訳したと思いますが、元の英語版を公開していただければ幸いです
返信削除翻訳機を使っているので下手な日本語ですみません
幸いを使ってる時点で下手じゃない
削除コーチの顔初めて見たけどかっこいいなリーグ昇格目指して頑張ってくれ
返信削除若そうに見えるけど随分成熟した考え方してるな
返信削除がんばれ
返信削除無給でコーチしてたんか・・・
返信削除多国籍/多言語のチームをまとめるには、こういうコーチが必要なんだろうな
返信削除結成されてまもないチームをここまで引っ張ったコーチだしこれから名コーチに化けそう
返信削除何より人間として出来てるのが尊敬する
>>第一に現環境のメタではなく、自分のチームとって何が良いかを考えています。
返信削除hsk聞いてるか?
? hskはメタ追いじゃなくてこのコーチと同じタイプだろ
削除毎回読み違ってるだけで
ロシアチームはRIOTから閉め出し食らってるし、東ロシアのプレイヤーは日本か韓国リージョンでプレイするしか無さそうだな
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