昨今緊迫化するロシア・ウクライナ情勢ですが、ロシアのeスポーツシーンが終焉を迎える10の理由をウクライナのeスポーツメディアGameinside.uaが解説しています。

1. ロシアチームの追放

eスポーツ大会を運営する大手企業は、ロシアチームの出場禁止、もしくはチーム名を代表して出場することを禁止しています。また、ロシア企業のスポンサーを宣伝することすら禁止されています。

eスポーツの国際大会が開催される国の多くは、NATOやEUに属するヨーロッパ諸国です。以前は両同盟と友好的関係を持っていたロシアですが、現在は世界中から呼ばれ距離を置かれています。

ロシア人選手の出場を禁止する大会もあれば、ロシアチームだけを禁止している大会もありますが、ロシア人は言語の壁を理由にヨーロッパ諸国のチームとプレイすることはほぼなく、ほとんどのロシア人選手はロシア、ウクライナの競技シーンでプレイしています。

スポンサーを集めることが出来ず、チームにも参加できない現状が続けば、ロシアのシーンはすぐに崩壊の一歩を辿るでしょう。

2. ロシア人選手がウクライナのチームでプレイできなくなる

ロシア人選手とウクライナ人選手が混合したチームは無数に存在しますが、そのようなチームはウクライナ人にとってイメージが悪いチームとなるでしょう。

多くのロシアのトップ選手たちがウクライナチームでプレイしていますが、今後はウクライナの市民権を取得するか、eスポーツの夢を諦め他の仕事を探すことになりますが、それは非常に難しいことです。

3. ロシアチームは、アメリカ、ヨーロッパへのビザを取得できない

ビザが無ければ、ロシアチームはアメリカ、ヨーロッパの大会に参加できないだけでなく、ブートキャンプを開催することもできなくなります。

以前からロシア人選手がアメリカへの渡航ビザを取得することは1つの関門でしたが、今後は事実上不可能となります。国際大会へ出場できないことは、選手のモチベーションを消失させる要因の1つになります。

4. ロシアの航空便欠航

ヨーロッパ諸国は、ロシアの飛行機に対して発着を禁止しており、同じくロシア側もヨーロッパ諸国の飛行機発着を禁止しています。

ロシア人選手が国際大会に出場するためには、ロシア国外の空港まで移動し、そこから飛行機に乗る必要がありますが、手順も複雑で、時間、費用も何倍にかかります。

5. ロシア人選手が他国のチームに移籍することが困難になる

ロシア人選手にとって、以前は言語の壁が大きな問題でしたが、今は言語の壁を乗り越えても、ゲームの才能が有ろうと、海外チームに移籍することが困難になります。

国際大会出場が決定したとしても、ロシア人選手が入国できない可能性を考えると、大会に向けた準備は全て水の泡になります。このような状況下では、ヨーロッパのチームはロシアの才能ある選手を獲得するより、自国の選手を育てた方が遥かに安全で賢い選択です。

6. スポンサーの撤退

近い将来、国際的な大手企業はロシアチームのスポンサーから撤退するでしょう。既に、ロシア大手チーム、大会運営企業から膨大な数のスポンサーが撤退しています。

スポンサーがいなくなることで、経済的打撃を受け、多くのセミプロチームは崩壊し、ロシアの大手チームは経費削減を強いられるでしょう。

ルクオイルのようなロシアの大手石油会社 (forZeのメインスポンサー) でさえ、eスポーツシーンから撤退する可能性が高い今、国際的に活躍することは非常に難しくなります。

7. ロシア国内での大会数の減少

今後ロシアで国際大会が開催されることは減少し、ロシアの配信スタジオは大会の放映権を購入することが難しくなるでしょう。

同時にロシアに拠点を置くウクライナの配信スタジオは、既に契約を結ぶスポンサー料金、権利の払い戻しが困難になるため、ロシア語配信を行うことにメリットはありません。

8. eスポーツタイトルからの追放

今後、多くのeスポーツタイトルにロシア人選手は参加できなくなるでしょう。既にフォートナイトではロシア人選手が公式大会へ出場することが禁止されています。

また、既に大手ゲーム販売業者がロシアから撤退しているため、ゲームをプレイすること自体が困難になります。

Riot Games、Valveなど、ロシア人選手を出場禁止にしていない企業も存在しますが、国際的な圧力で状況が変わることは十分にあります。

9. メディアの閉鎖、インフルエンサーの活動縮小

多くのSNSはロシア国内からアクセス制限されているため、多くのインフルエンサーやメディアは大打撃を受けています。

Discordは閉鎖寸前状態にあり、YouTubeも近い状態の危機に瀕しています。恐らく、テレグラム、VK (ロシアの大手SNS) はまだ利用できますが、時間の問題でしょう。

世界で活躍する選手の情報を追えなくなることや、広告収入を得られないことはメディア、インフルエンサーにとって閉鎖、活動縮小を強いられるでしょう。

10. パソコンが高価になる

AMD、Intel、NVIDIAなど大手半導体メーカーがロシア市場から撤退を発表しています。続いて、グラフィックボードやマザーボードなどPCパーツを製造する企業が撤退し始めている現状にあります。

パソコン自体は中国から輸入可能であるため、ロシア国内でパソコンが使えなくなるわけではありませんが、その価格は非常に高騰し、入手自体が困難になるでしょう。

この価格上昇は、新しい世代がゲームを練習する機会を失い、モチベーション低下に繋がります。つまり、数年後にはロシアのeスポーツシーンは衰退することを意味しています。

パソコンの価格が高騰するほか、最も重要な問題が他にあります。インターネット回線が遅くなり、まともにゲームがプレイできなくなることです。

遠い昔、ロシアのeスポーツはネットカフェでプレイすることが主流で、遅い回線やPING環境下でプレイしていたことを30歳以上の方は覚えているでしょう。

ヨーロッパのプロバイダーに接続できず、アジアなど他地域を通じてインターネットを使用することになると思いますが、回線面で圧倒的に不利なため、対等に練習、対戦することは不可能になるでしょう。

22 コメント

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  1. ロシアンリスク
    BBどーすんのこれ?日本に帰化させちまう?

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  2. FPSを筆頭としたeスポーツ強豪国なのに悲しいねぇ……

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  3. これでGAMBITがMasters出場勝ち取ったらどうなるの?ビザも取れなかったら無理やん

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    1. 4位のチームに出場権が渡るか、M3Cがロシア国外の空港まで移動する費用をRiotが出すか。どっちかじゃない?

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    2. M3C今どういう環境でプレイしてるんだろ?回線とか大丈夫なのかな?

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  4. GMBかわいそう

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  5. naviとかGO部門半分ロシアンだしvaloで言えばウクライナ人一人もいないからな
    どうなるんだ一体

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    1. NAVIはウクライナのチームだし何の問題もないだろ
      GOの拠点もEUにあるし

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    2. 拠点の問題じゃなくて、ロシア国籍の選手がどうなるかの問題だろ

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    3. ロシアの団体の締め出しはあってもロシア国籍持ってる一個人の締め出し制裁なんてありえないでしょ
      そんなんで選手きってたらNAVIそのものがチーム運営できなくなるわw

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    4. 読めばわかるけど記事内の2に該当する話だから一概に否定はできないぞ

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    5. ロシア人がチームにいることでスポンサーが撤退する可能性も否定できないよな

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  6. GOはロシアで凄く盛り上がってるっ聞いたんだけど現状どうなの?

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  7. 韓国人じゃなくてロシア人連れてくる流れあったけど今後は無理かもしれないな。

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    1. BBとCG以外にロシア人選手連れてきてたチームあります?

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    2. INS(Lumo)だけかな。「流れあった」は言い過ぎだったかもしれん。

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    3. INSがいたか、日本で活躍するロシア人選手が増えてくる傾向はあっただろうけど、今後どうなるかねぇ

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    4. これからは中国に流れるかもね

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  8. 中堅3チームもいたら流れって言っても過言ではないんじゃないか

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  9. goのロシアチームのステッカー買っといたわ

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