国内を拠点に活動するeスポーツチーム「FENNEL」は9月28日、同チームにヒップホップアーティスト「OZworld」が加入したことを発表しました。また加入を記念し、FENNELの代表を務める仏氏、取締役の⾼島⽒にインタビューさせて頂きました。

OZworldは沖縄を拠点に活動するヒップホップアーティスト。独特の感性から飛び出すリリックと変幻自在のフロウを巧みに操り独自の世界観を展開し、代表曲のNINOKUNIPeter Son畳 -Tatami-はYouTube上で数百万を超える再生回数を記録するなど活躍を広げています。また、自身もゲームを常日頃からプレイするゲーム好きとして知られ、今年1月にはeスポーツ高等学院のCMソングを提供するなどeスポーツ業界にも繋がりを持ちます。

今回加入した経緯について、FENNELの目指す「自由で独創的な表現」でシーンを魅了し続けるOZworldをチームに迎え入れることで、更に幅広い活動、そしてeスポーツとヒップホップとの融合の第一歩を目指すと明らかにし、eスポーツシーンとヒップホップカルチャーを交えた活動をしていくとしています。

また発表内では「ステージに立つアーティストだけではなく、フロアにいるオーディエンスが彼ら独自のかっこよさを追求しているヒップホップシーンはFENNELが目指す理想像に近く、表現に貪欲で表現を楽しんでいる文化として、ヒップホップは FENNEL が目指す社会を実現するためのヒントと考えました」、「eスポーツチームらしさに囚われず、新たなスパイスと非常識さをヒップホップから持ち込み、選手たちの実力に負けないブランドとしての強さを求め、今後も貪欲に表現を追求し続けます」とコメントしています。

そして今回、当サイトではOZworld加入に当たり、FENNELの代表を務める仏氏、取締役を務める⾼島⽒にインタビューさせて頂きました。OZworld⽒が加⼊した経緯や今後の取り組み、FENNELのeスポーツクリエイティブに対する考えについてお話を伺いました

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まず初めに、OZworld氏の加入おめでとうございます。加入した経緯などございますでしょうか?

:加入した経緯についてですが、まずOZworld自身ゲームが凄く好きで、FPSに限らず様々なゲームタイトルをプレイしています。そして楽曲制作の際にゲームからインスピレーションを得たり、ゲームをプレーしながらキャラクターの持つバックグラウンドやストーリーを想像する癖があったそうです。

そんな中で以前にOZworldに会うきっかけがあり、一緒にApex Legendsをプレイしたりするなど交友が深まりました。そして彼と話していく中で、彼の作り上げたい世界観、NFTプロジェクトやメタバースに対する興味、そして彼の持つビジョンを知り深く共感しました。

逆にFENNELのビジョンやこれまでの取り組みを話している中で、彼自身のFENNELの考え、そしてビジョンに対して共感してくれ、お互いのビジョンに対して共に取り組んでいこうと共通認識が生まれました。

そして、取り組みを模索する中で、FENNELにOZworldが加入することで、お互いのパフォーマンスを最も発揮できると考えました。話し合い自体は約1年前からさせていただいていて、「一緒にこんなことができるのではないか」とゆっくりと話し進め、調整の結果このタイミングでの発表となりました。

ラッパーがチームに加入するニュースは、多くのファンにとって具体的な取り組みを想像しづらいと思いますが、今後の取り組みなどあれば教えてください。

:OZworldと共同での楽曲やミュージックビデオの制作、ライブイベントの共催、eスポーツ⼤会の共催を考えています。また彼が取り組むNFTプロジェクト「NiLLAND」でのコラボレーションも検討しています。

FENNELはOZworldの表現活動、eスポーツという新しいコミュニティに対してOZworldの持つ世界観を伝えていくサポートを全⼒でしていきます。

海外ではラッパーがeスポーツチームに加入するケースが増えています。国内では恐らく初の取り組みだと思いますが、海外のチームで参考にされているチームなどございますでしょうか?

:海外のeスポーツチームにおいて、実際にラッパーがチームに所属しているという形はいくつか事例があります。今年話題になったFaZe ClanへのSnoop Dog⽒の加⼊や、Drake⽒が100Thievesに共同所有者として出資している事例など、海外ではラッパーがeスポーツチームに加入する動きがあります。

彼らの動きを参考にしながらも、FENNELの持つビジョンから逆算し、親和性があると考えたのがヒップホップカルチャーであり、今回の取り組みに⾄りました。

インタビューを通じて、ヒップホップへの並々ならぬ愛を感じました。仏さんがヒップホップが好きな理由、そして好きな曲などあれば教えて頂けないでしょうか。

:ヒップホップアーティストにはそれぞれが表現したいあり方があり、どれも他と違って正しいと考えています。そのあり方を生涯かけて模索し目指すし、それをストレートに自身の言葉でつむぎ文章を編む姿勢が好きです。また好きな曲は、Ralph-Real Talkです。

話題は変わりますが、VALORANTを展開するRiot Gamesはヒップホップカルチャーをはじめ、様々な⾳楽とのコラボレーションを行っております。それについてはどうお考えでしょうか?

高島:Riot Gamesはヒップホップだけではなく、多様なカルチャーへのリスペクトを持ったコンテンツの制作等の動きを多く仕掛けています。彼らは他のパブリッシャーに⽐べても類を⾒ないほど積極的に、そして恒常的にキャラクターであったりマップであったり、Riot Gamesの世界観 × クリエイティブ(アートや⾳楽)のコンテンツを⽣み出し続けています。

話題になったLeague of Legendsのアニメ『Arcane』の制作もその⼀つであると思います。今後、彼らのクリエイティブ活動はさらに増えていくと考えているし、彼ら独⾃の世界観がゲームの広がりによってもより知られ、多くの⼈を感性を刺激していくと思います。

人によって捉え方が異なると思いますが、VALORANTのクリエイティブは近年の日本のeスポーツチームのクリエイティブの1つの基準になったと考えております。意識的にか無意識的にか分かりませんが、Riot Gamesのクリエイティブから着想を得たりとか、方向性がよっていったりすると感じています。

クリエイティブ活動に惜しみのないRiot Gamesが出し続けるコンテンツに、ファンやチーム関係者が触れる機会がより増え、意識的にか無意識的にか、Riot Gamesのクリエイティブから着想を得たり、⽅向性が寄って行ったという印象を持っています。

その中でチームのキーカラーを多く利⽤したり、チーム特有の写真や画像の質感を作り上げているチームが統⼀された世界観を持っている印象です。それほどRiot Gamesはeスポーツシーンにおけるクリエイティブの基準になったり、模範になっている存在だと思います。

FENNELも独⾃の世界観を持っていると思いますが、今後のクリエイティブの⽅向性はどう考えていますか?

⾼島:⼀⾔で⾔えば、FENNELは「eスポーツクリエイティブの中で新しい存在で居続けたい」と思っています。Riot Gamesのコンテンツやクリエイティブ、世界観には⼤きく共感し、感銘を受けました。FENNEL内では今後のクリエイティブや世界観の作り方に対して⽇々議論が重ねられていますが、私たちのアイデンティティは、より挑戦的に奇抜に誰もやったことのない新しいアクションを仕掛け続け、創り続けることです。

eスポーツクリエイティブの基礎に囚われずに、FENNELだけの新しい表現を常に発信し続けたい。その挑戦的な姿勢がコミュニティの⼈々に刺激を与えたり、⾃⼰を表現することのカッコよさや⾯⽩さを知ってもらうことに繋がるのではないか、と考えています。

なので、Riot Gamesやコミュニティのクリエイティブにリスペクトを持ちながらも、より新しいチャレンジを続けたいと考えています。⾃分たちのクリエイティブが評価され、ベーシックに対して影響を与えることができるのであれば、その時はまた新しい挑戦に踏み出すと思います。

チームとしては、常に驚きと表現への勇気を与えるクリエイティブを創っていきたいです。FENNELはこれから、VALORANT、League of Legendsを中⼼に保有しているゲームタイトルシーンに対し、より挑戦的で独創的な表現活動を行っていきます。環境の整備やコーチングスタッフの充実、恒常的に強いチームづくりのための投資を⾏うことであったり、コミュニティをより盛り上げていくための⾃社⼤会の開催等の企画はeスポーツチームとしてもちろん⾏っていくつもりです。

FENNELが⽇本eスポーツシーンにいる意義として、コミュニティや選⼿⾃⾝、活動者⾃⾝により多様で挑戦的な表現をして欲しい、その勇気を与えるブランドを⽬指しています。

FENNELの今後のビジョンであったり、VALORANTを中⼼としたeスポーツでの今後の展望を教えてください。

:FENNELは「全てのプレイヤーが表現する世界に」をミッションに掲げています。「表現」の形は様々ですが、⾳楽やアート、ファッションはもちろんのこと、ファンの⽅々の応援や、SNSでの1投稿、1つの意⾒を発信することも「表現」だと思っています。

より表現に溢れた世界を創っていくために、FENNELはその中でも最も挑戦的に奇抜に⾃分たちの表現をし続けていきます。さらにOZworldのように、ビジョンを持ち独創的な表現に挑戦するクリエイターらをサポートし、様々な形で表現が肯定される社会を⽬指していければと考えています。

⾼島:若い世代を中⼼にコミュニティが形成されるeスポーツにおいて、このような活動をやることに意味を感じています。より⼈の表現や挑戦を応援する、多様な⼈が⽣まれるコミュニティになったらと願っています。

私たちの事業のすべてをこの考えの元、進めていくつもりです。今年、FFL Global ChallengeやVALORANT、クラッシュロワイヤルを⽤いた⼤会等、新しく挑戦的な動きをしてきました。これからも、各eスポーツコミュニティに必要とされている、「リスクはあるが誰かが取り組む必要のある課題」に対してアグレッシブな⼤会を企画し、挑戦していく所存です。

アパレルブランド「FNNL」の展開においても、「挑戦」と「表現」を凄く意識しています。FENNELのファンの⽅々はもちろん、eスポーツコミュニティの⽅々が、ファッションにこだわりを持つ⾯⽩さやカッコ良さを知るきっかけになってほしいという思いから、こだわり抜いたプロダクトを制作しています。「ONE-OFF」はその中でもこれまでのeスポーツシーンにはなかった挑戦的なファッションを伝えていくためのラインです(ONE-OFFとは、古着やFENNELの商品を素材としたリメイクを中⼼とした1点もののライン)。

最後にVALORANTを含むeスポーツチームとしての活動に関してですが、環境の整備やコーチングスタッフの充実、恒常的に強いチームづくりのためのアグレッシブな投資を⾏うことであったり、コミュニティをより盛り上げていくための⾃社⼤会の開催等の施策はeスポーツチームとしてもちろん⾏っていくつもりです。

昨年、成績が振るわなかったVALORANT男⼦部⾨に関しても、今回のオフシーズンにおいて慎重にリビルドを⾏っています。インターナショナルリーグへの参⼊は叶わなかったものの、これまで以上にアグレッシブに、VALORANT男⼦部⾨に対して投資を続けていくつもりです。

昨シーズン途中に加⼊したヘッドコーチのJhontaやLCQでNORTHEPTION様で経験を積ませていただいたコーチのmltdwnを中⼼にコーチングスタッフが固まりつつあります。VALORANT男⼦部⾨に関しては、近いうちにリリースをだせるかと思いますのでお待ちいただければ幸いです。

またRascal Jester様のLeague of Legends部⾨の買収に伴う、FENNELのLeague of Legends部⾨の設⽴も挑戦の1つです。League of Legendsのコミュニティをさらに盛り上げる存在となると共に、慎重かつ⼤胆に動いていけるよう準備を進めています。

どの部⾨に対してもFENNELのビジョンを体現するべく、アグレッシブに挑戦的に活動していきますので応援頂けますと幸いです。このような裏側の思いであったり、背景、今後のビジョンを話す機会はこれまで作ってこれていなかったので、VALORANT4JPさんに機会をいただけて嬉しく思います。ありがとうございました。

こちらこそ貴重な機会をいただき、ありがとうございました。そして、VCT 2022 Game Changers East Asia、応援しております!

15 コメント

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  1. ライアットのセンスいいのわかる

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  2. とりまFennelはいかつい。

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  3. 面白かった FENNELはこれから大きくなるな

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  4. ミートパスタ教すき
    https://www.youtube.com/watch?v=-dRBdYLNAEA

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  5. 今も沖縄拠点?

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  6. LJLにも参入したしRiot的にも頑張ってほしそう

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  7. LJL参入
    モバイルコミュニティからの圧倒的人気
    VALORANTはそこそこ強い、コーチはJohnta
    女子部門は日本1位
    OZworld加入
    スポンサーはディーゼル、ガレリア、HyperX

    これだけ見ればパートナーシップ的には十分そうだけどやっぱ安定性とかだったんかな

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    1. zetaとdngと比べたら最近設立したプロチームだから感はある

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    2. 日本のプロチームでは比較的成功してる方だし、DNGの次のパートナーシップ候補だったんじゃないかな。
      CRよりはちゃんとした企業だと思う

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  8. 高島さんと直接話したことあるけどマジで頭いいんだなってすぐわかったし取締役なのも納得ですわ

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    1. 取締役も若い人でビック下

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  9. むしろ新進気鋭のeスポーツチームを独占インタビューできる管理人が何ものだよ

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  10. 最後VCT2021になってますよ

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    1. コメントありがとうございます。修正いたしました。

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  11. FENNELっぽくていいね

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