昨年12月にVALORANT部門の新ロスターを発表し、結成僅か3ヵ月ながらVCJ 2023 Split 1ではオープン予選、メインステージ、そしてプレイオフ進出と快進撃を続けるFENNEL。

そこで当サイトでは、今月18日にインテックス大阪で行われるオフラインプレイオフ出場を控えたFENNEL所属のCLZ選手、JoxJo選手にこれまでの試合の感想やプレイオフへの意気込みをお聞きしました。

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まずはオフライン進出おめでとうございます。今の率直な感想をお聞かせください。

CLZ:初めてのオフラインに進出でき、本当に嬉しいです。

JoxJo:昨年もオフラインを経験しましたが、今の新しいメンバーでオフラインに進出できて本当に嬉しいです。

VCJ 2023 Split 1ではオープン予選からプレイオフを通して10試合以上を戦ってきましたが、印象に残った試合などございますか?

CLZ:プレイオフのSengoku Gaming戦です。前半に思ったように試合を運べず、メンタルが落ち込んでいたのですが、最終マップのパールでそれを乗り越えることができたのが、自分にとって凄く印象強い試合になりました。

JoxJo:同じくSengoku Gaming戦です。プレイオフではNORTHEPTION戦、Sengoku Gaming戦ともにメンタル管理が上手くできず、気持ちが落ち込んだ面があったのですが、他のメンバーが上手くサポートしてくれたおかげでオフラインへの切符を掴むことができました。

オフライン出場を決めたSengoku Gaming戦で意識したことを教えてください。

CLZ:Sengoku Gamingにはとてつもない力を持ったデュエリストのsomething選手がいるのですが、それに負けないように「チームプレイで勝とう」と意識していました。

CLZ選手は主にファントムを使っていた印象でしたが、Sengoku Gaming戦ではヴァンダルを使用されていました。それも何か対策の1つだったのでしょうか?

CLZ:デュエリストで先陣を切る役目なので、something選手とやり合う最初の撃ち合いで頭1発の勝負になると思っていました。先にヘッドショットを当てた方が勝つと思っていたので、やっぱりヴァンダルじゃないと勝てないと自分自身で判断しました(笑)。

オープン予選から勝利を重ね、メンバー、そしてチームとして大きく成長した2ヵ月だったと思います。結成当初のメンバーと今で何か違う印象などございますか?

CLZ:チームとしてまとまりが出てきたと思います。メンバー全員が別々のチームから集まってきたこともあり、最初は1つ1つのコールなども違った面もありました。しかし今は規律を守ることを意識したVCを心がけているので、そこが当初と変わった面なのかなと思います。チームメンバーが仲良くなったこともあると思いますが、基本的にはコーチの規律を正しく守っているからだと思っています。

"規律を守る"と申しますと、具体的にはどのようなことを行ったのでしょうか?

CLZ:JoxJoがIGLなのですが、hiroronnやXdllはIGLが話す時間に自分の意見を話してしまうみたいなことが稀にありました。そういったところを少しずつ修正していきました。これは一例なのですが、他にも修正した部分はたくさんあります。

JoxJo選手も何か結成当初と今で何か違う印象などございますか?

JoxJo:結成当初からスクリムは高い勝率だったのですが、大会の時には緊張のせいか細かいミスが多く見えました。それをどう修正すればいいのかとコーチ陣と一緒に考えた結果、皆で落ち着いてコールができるような”コールボックス”を作ろうとなりました。

それに従って落ち着いてプレイしようとメンバーと共有したら、実戦でもかなり落ち着いてプレイすることができました。落ち着いてプレイすることが出来るようになったことが、個人的に変わった一番の印象だと感じます。

"コールボックス"とはどのようなものでしょうか?

JoxJo:コールボックスは、Johntaコーチが提案したアイデアです。コールボックスがあることで、何か指示を出した後、それに従って自分のポジションで何をすればいいのかを事前に決めておくことで、チーム全体の考え方を簡単に統一することができます。

昨年12月のインタビューではhiroronn選手がデュエリストを担当すると仰っていましたが、いざ大会が始まるとCLZ選手がメインデュエリストとしてチームを牽引していました。チーム結成から大会に至るまで、何か変化があったのでしょうか?

CLZ:当初はhiroronnがデュエリストを担当する予定だったのですが、大会までの期間が短く、ラウンドのファーストコールやキルを取る嗅覚がその期間では身につかないと考えました。そこでもともとデュエリストの経験がある自分がした方が良いのかなととうことで、変更になりました。

CLZ選手はオープン予選からプレイオフを通して素晴らしいパフォーマンスを披露されました。デュエリストやオペレーターを使う上で意識していること、または他のデュエリストとの違いなどあれば教えてください。

CLZ:自分の思うデュエリストの形は、エゴを出さず、自分のキルの為に動くことが少ないスタイルだと思っています。一般的なデュエリストだと1キルを取って、その後も前に出て、2キル目も取りに行くみたいな動きが多いですが、自分は1キルを取ったらそこからどうするかもう一度考えてから動くといった堅実的なプレイが多いかもしれません。

あまりデュエリスト的な思考の選手じゃないかもしれませんが、逆にそこが1つの強みなのかなと思っています。

ありがとうございます。また現在、CLZ選手はチームリーダーを務められていますが、チーム作りにおいて意識されていることはございますか。

CLZ:JoxJo以外の選手は若いので、若いが故の行動を注意したりすることが多いかもしれません。逆にそれ以外、リーダーらしい仕事はしていなくて、みんな本当にしっかりしています(笑)。

JoxJo選手に質問です。オフシーズンの期間中、多くのチームからオファーがあったかと思います。FENNELを選んだ理由について教えてください。

JoxJo:FENNELは他のeスポーツチームと違って、アパレルやヒップホップなどFENNEL独自の色を強く持ったチームだと思っています。そこが本当にかっこいいなと以前から感じていました。

また日本人選手の中でも、自分が思うトップクラスの実力を持ったCLZ選手が在籍していることに加え、NORTHPTION時代にアナリストを手伝ってくれたmltdwnさんがヘッドコーチとして在籍しています。またhiroronn、Xdll、SyouTaと確かな実力を持つ若い選手が揃っていたことから、「FENNELでプレイしたい」という思いが強くなりました。それがFENNELを選んだ一番の理由です。

またCLZ選手とJoxJo選手は以前から交流があったとお聞きしています。出会いのエピソードなどあれば教えてください。

CLZ:最初の出会いは僕がDeToNatorに所属していた時で、ランクで出会ったJoxJoがいきなりフレンドリクエストを送ってきて、個人チャットで「愛しているよ」と唐突に送ってきました(笑)。本当に可愛い韓国人だなと思いました。それからはランクで会うたびに少しずつ仲良くなっていきました。

そして今回、FENNELで同じチームメンバーとして再開しました。昨年、ZETA DIVISIONが一強だった時代に日本大会決勝でNORTHEPTIONが勝利しましたが、個人的にはIGLが優秀なチームじゃないと勝てないのがVALORANTだと思っているので、JoxJoは本当に優秀なIGLだなと思っていました。そのため今回、一緒にプレイ出来て、本当に嬉しいです。

JoxJo:初めてCLZ選手と出会ったのは、VALORANTのコンペティティブです。当時のプレイを見て本当に上手いなと感じたのが第一印象で、まるで一目惚れしたかのような感覚でした。

そこでフレンドリクエストを送り、「愛しているよ」とメッセージを送りました(笑)。

また、元FENNEL所属だったJinxやenvyからも、CLZ選手は本当に上手い選手だよと話は聞いていました。ちょうどそのころ、日本のチームでプレイしたいなという気持ちが強くなり、日本語も学んでみようかなと思いました。

mltdwnコーチにもインタビューをさせて頂きました(後日公開)が、当時のJoxJo選手を高く評価されていました。何か印象などございますか?

JoxJo:NORTHEPTIONに在籍していたころはbailコーチが全てのコーチ業を担っており、mltdwnさんはアナリストとして敵の分析が主な仕事だったのでした。今のコーチとしてのmltdwnさんはチームの為には自分の睡眠時間も削りながら、どうしたらチームが強くなるのだろうと常に真剣に考えてくれています。

何よりもチームを一番に考えてくれる良いコーチだなと感じます。

現在のFENNELはそれぞれ異なるチームから集まったメンバーで構成されています。比較的新しいチームであるFENNELですが、IGLとして意識していることなどあれば教えてください。

JoxJo:自分自身もまだ完璧なIGLだと思っていませんが、IGLとして落ち着いた指示を出すことで、若い選手たちが良い判断ができ、試合に集中することができると考えています。そのため今一番意識している所は、落ち着いてコールを出すことかなと思っています。

JoxJo選手はオープン予選からメインステージを通してオンラインで大会に参加されていましたが、現在はメンバーに合流しているのでしょうか(インタビュー実施日3月上旬)?

JoxJo:はい、現在はオフラインで練習をしています。

いざオフラインで合流してみて何か思う所などございますか。

JoxJo:オフライン進出を決めたSengoku Gaming戦の時はまだ韓国にいたので、みんなが喜んでいる中、自分は1人で喜んでいるといった何か惜しい感じがありました。しかし今、実際に合流してみたら、思ったより皆が可愛いし、若い子たちばかりなので、オフラインで会って練習することができる今が本当に楽しいです。

ちなみに現在、FENNELのスタッフ陣はコーチ、アナリスト含め4名体制が取られていますが、大会を通してコーチやアナリストの恩恵はどのように感じられましたか?

CLZ:コーチやアナリストが多い分、シンプルにスカウティング(分析)の時間が増えたと思っています。また、タイムスケジュールを管理する人、戦術やセットアップを考える人、チームの成長に必要な練習を持ってくる人など、それぞれの役割が分けられており、効率的な練習ができています。それが大会の結果に直結したのかなと思っています。

次はSCARZとの再戦が決定しています。どのような印象をお持ちでしょうか?

CLZ:SCARZは火力もありつつ、連携も取れているチームといった印象です。聞いた話によると、コーチが凄く優秀といったことを耳にしているので、そこが一番の不安要素と言うか、強く感じる部分だと思います。

JoxJo:日本人選手以外に、海外の選手が所属しているチームは簡単なセットアップや撃ち合いがメインといった印象を持つのですが、SCARZは連携が強いチームだと個人的に思っています。

例を出すと、Sengoku Gamingがsomething選手やVici選手の爆発的なプレイで勝利をもぎ取るチームだとした場合、SCARZは例え外国人選手がいたとしても、チーム連携をしっかりと組み、賢いプレイをするチームだと感じます。そういったところが注意する点だと考えています。

JoxJo選手を除く4人は初のオフラインとなりますが、何か緊張などございますか?

CLZ:めちゃめちゃ楽しみの一方で、緊張もしています。まだオフラインまで日にちはありますが、今もずっと緊張しています(笑)。

関係ない話で恐縮なのですが、JoxJo選手のプレイヤーネームの”x”は以前大文字(JoXJo)だったと記憶しています。何か変えた理由などあるのでしょうか?

JoxJo:そうですね、正直に言うと特に理由はないです(笑)。

すみません、お答え下さりありがとうございます(笑)。それでは最後に、オフラインに向けた意気込みと応援してくれるファンにメッセージをお願いします。

CLZ:オフラインでは絶対にSCARZ、Crazy Raccoonにリベンジして、Split 1で優勝できるように頑張ります。そして応援してくれるファンの皆さん、本当にありがとうございます。 

JoxJo:チアーパーティーに参加してくださる方やいつも応援して下さるファンの皆さん、そして精一杯サポートして下さるスタッフの皆さん、いつも本当に助けになっています。今回のオフラインプレイオフは絶対に勝ち上がり、Split 1で優勝できるよう頑張ります。応援よろしくお願いします。

インタビューありがとうございました!オフラインプレイオフ、応援しております!

4 コメント

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  1. すごく良い記事でした!取材お疲れさまです!
    SZって他のチームと違う感じがするなと感じてたけどプロの選手も思っていたのがびっくり

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  2. インタビュー助かる

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  3. 元FENNLE所属だったJinxやenvyからも
    になってます!!!

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    1. コメントありがとうございます。修正いたしました。

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