今年3月、VCJ 2023 Split 2で初のオープン予選突破を果たし、アドバンスステージ進出したFocus e-Sports。アドバンスステージではIGZIST、NORHTEPTIONに敗れ惜しくも敗退となってしまった同チームですが、解散後も同じメンバーで活動を続ける理由や国内シーンの懸念、そして今後の目標をお聞きしました。

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本日はお時間を頂きありがとうございます。まずは自己紹介をよろしくお願いいたします。

Zan(@zanfps_:初めまして、Zanと申します。チームではデュエリストを主に担当しています。

citrous(@yuzuponzuzuzuz:citrousと申します。もともとSengoku Gamingでプレイしており、そこからFocus e-Sportsに移り、現在に至る経緯になります。チームでは主にイニシエーターを担当しています。

KomIkku(@komikkuVLRT:以前はFirst Gamingでプレイしておりました、KomIkkuと申します。チームではイニシエーターをさせて頂いています。よろしくお願いします。

Hide On Smoke(@shinchan_tuyoiチーム探してます(2021年頃に活動したアマチュアチーム、xnfri、BlackWiz、Killer、kurozootedが在籍していた)でプレイしており、その後にFocus e-Sportsに加入しました、Hide On Smokeと申します。現在はセンチネルをプレイしています。

Kiehll(@kiehlljp:初めまして、Kiehllと申します。Focus e-Sportsで初めてコーチをやらせて頂いており、コーチ歴としてはまだ半年ほどになります。チームは解散となってしまいましたが、こうして5人で活動をできており、チーム探しも含め心機一転頑張っています。よろしくお願いいたします。

お願いいたします。それでは、チーム結成から現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

Zan:もともとは僕と他のメンバー4人でFocus e-Sportsで活動しており、VCT 2022 Japanやコミュニティ大会を中心に出場していました。しかしグループ予選を突破できず、一度解散のような形になりました。

ちょうどその時、citrousが加入して、もともといたメンバーに加わる形で活動仕様となったのですが、それも解散となり、僕とcitrousの2名だけ残りチームを再編しようとなりました。

そして1~2ヵ月ほどかけたトライアウトで集まったメンバーが、現在のメンバーになります。それが昨年の10月頃だったと思います。

そこから2か月後、今年頭に開幕したVCJ 2023 Split 1で公式戦にデビューしたといった流れでしょうか?

Zan:はい、そうですね。一応その間はいくつかコミュニティ大会に出場していました(備考:昨年12月、Focus e-SportsはVALORANT Xross Cup 30でCrazy Raccoon Academy、Gen.G Academyを破り優勝を収めている)。

VCJ 2023 Split 1は出場したのですが、オープン予選で敗退してしまいました。このメンバーでプレイしてまだ3、4ヵ月くらいの期間だったため、ミクロ面で個人の細かいミスが目立っていたと思います。Jadeiteとは2度戦ったのですが、最終戦のJadeiteではそれが顕著に出ていました。1戦目では自分たちの得意マップだったアイスボックスでも、かなり嫌な負け方をしてしまいました。

Jadeiteはマクロもミクロも上手くて、自分たちの細かいミスでリズム感を崩し、そこからずるずるとラウンドを落としてしまいました。あとはiZu選手にかなり破壊されました。

iZu選手は1戦目のアイスボックスで28キル9デスととてつもないパフォーマンスを披露されていましたね。

Zan:そうですね(笑)。しかしそこでかなり感触を掴むことができ、リベンジに意気込んでいたのですが、同じく自分たちのミスが目立ち、ラウンドを落としてしまいました。そしてVCJ 2023 Split 1は終了しました。

Split 1を終え、2ヵ月にはVCJ 2023 Split 2に出場されましたが、その間にチーム内加えた変更などはありますか?

Kiehll:大きく変更があったのは、デュエリストとセンチネルです。ZanとHide On Smokeがロールをチェンジし、Zanがデュエリスト、Hide On Smokeがセンチネルになりました。

Zan:兄ちゃんにセンチネルを任せ、僕がデュエリストを引き継ぎました。

ありがとうございます。少し気になったのですが、「Hide On Smoke」選手は「お兄ちゃん」と呼ばれているのですね(笑)。実の兄弟だったり、慕われていたりするのでしょうか?

Zan:そうですね(笑)。実はSengoku GamingやHexad、SCARZでプレイしていたShuzz選手が、Hide On Smokeの実の兄弟で、その経緯からお兄ちゃんと呼んでいます(笑)。

なるほど!意外な接点があったのですね。

Hide On Smoke:はい、そうなんです(笑)。

余談が入り申し訳ございません(笑)。話を戻しますと、チーム内の役割を変更し、今年3月にVCJ 2023 Split 2に出場されました。オープン予選はいかがでしたか?

Zan:初戦は5on5魂戦だったのですが、1マップ目のヘイブンで開始から6ラウンドをストレートで取られてしまいました。大丈夫かな・・・とかなりひやひやしていたのですが、そこから立て直し、無事勝利することができました。

初戦のスコアを見てみると、役割を変更して初の公式戦ながら、Zan選手がかなりキルを取られています。ここで自信など付きましたか?

Zan:そうですね。しかしサポートが本当に手厚く、味方のお陰だと思っています。0-6のスタートから結構メンタル的に来ていたマップではあったので、自信には繋がったと思います。2マップ目のアイスボックスも強気に勝負できたと思います。

そして初戦を勝利し、Focus e-Sportsは順調に勝ち上がっていきます。Good 8 Squadに敗れるも、ローワーから勝ち上がり、決勝ではGood 8 Squadにリベンジを果たしました。2戦目に修正した点や意識したことはありますか?

Zan:1戦目も2戦目もパールをピックしたのですが、相手の攻め方がゆっくりで、こちらのアクションを待ってから動いている印象を受けました。防衛側では敵が待っているポジションを詰めて倒されたり、攻撃側では逆に1人1人勝負して撃ち負け、ラウンドを落としたシーンがありました。

そのため2戦目は固まって動こうと意識して試合に臨み、無事に勝利することができました。

見事オープン予選を突破し、アドバンスステージに進出されましたが、Focus e-Sportsにとって初めての公式大会の配信試合になったかと思います。当時の心境を教えてください。

Zan:Focus e-Sports はVALORANT部門を設立し2年以上活動していたのですが、初めての公式戦の配信試合でした。メンバーももちろん、運営の人もかなり喜んでいました。

オープン予選突破と敗退では大きな違いがあると思います。この期間で何か改善できたこと、または何が理由などありますか?

Zan:1つ大きな理由としては、メンバー変更をしたりせず、とりあえず同じメンバーで戦ってきたことだと思います。基礎はできていたので、これからはそれをもっと磨いていこうとすぐに切り替えることができました。

長く同じメンバーで続けることに意味があると思っており、それこそこういうゲームは連携が大事ですので、それが上手く働いたのだと思います。

アドバンスステージでは初戦でNORTHEPTIONと対戦されました。中々の接戦でしたが、いかがでしたか?

Zan:確かに接戦でした。初めての配信試合だったこともあり、僕が特に緊張しちゃいました。普段は当てることができる状況でもオペレーターを外したりしてしまいました。

Kiehll:ブリンクも間違えていたよね(笑)。

Zan:そうですね、Bサイト上で2回くらい間違えました。もう見たくないです。トラウマです。初めての配信試合で普段とは違うアウェーな雰囲気でしたが、コールとかは結構できていたので良かったかなと思います(笑)。

コールをしていたと言いますと、IGLはZan選手が行っているのでしょうか?

Zan:明確には決まっていませんが、5人全員でコールをすることが多いと思います。

そして次戦のムラッシュゲーミング戦は2-0で見事勝利されました。当時の心境はいかがでしたか?

Zan:初戦のNORTHEPTION戦で大会の空気感と言いますか、そういうのがかなり伝わりました。初戦を終えた後、「Focus e-Sports結構やるじゃん」といったメッセージや応援のメッセージが結構届いたので、それが励みにもなりました。

負けたら敗退の後がない状況でしたので、みんなで頑張ろうと声を掛け合いました。特に僕は初戦で情けない姿も見せていたので、ここは頑張らないと気持ちを入れてやっていました。

ローワーファイナルではMain Stage進出をかけIGZISTと対戦し、惜しくも0-2で敗れました。敗因はどういったところにあったのでしょうか?

Zan:マクロ面での差があったと思います。僕たちはIGLがいないので、そこの悪いところが目立ってしまったと思っています。攻めるタイミングでちょうどスキルを返されたり、そういった面が試合中に修正できなかったところが敗因だと思っています。

Kiehll:2マップ目のスプリットも攻めでもたついてしまうシーンがあり、流れを掴むことができませんでした。いつも通りの攻めだったり、考えた通りの行動ができませんでした。

Zan:IGLがいないため、それぞれの役割で得た情報を共有し、その限られた情報の中で作戦を組み立てていくスタイルだったので、少しコールの量が少なくなると、それだけでチームが動きづらくなる悪い面が出てしまったと思います。

IGLがいないことが良い面にも悪い面にも働いたのが、今回の大会だったのですね。

Zan:そうですね。IGLがいない良い面も、悪い面もあった大会でした。

ムラッシュゲーミング戦の2マップ目のアイスボックスは、IGLがいないからこそ、個人個人で考えた作戦を昇華し、ミクロ面が活きた試合でした。IGZIST戦では逆に悪いところが出ていたのだと感じます。

初めての配信試合となった今大会でしたが、振り返ってみていかがでしたか。

Zan:半年という期間の中、良い所まで進めた気はしますし、まだまだ修正できるところもたくさんありますし、明確化した課題点もあります。

これから次の公式戦までまだ時間があると思うので、これから修正できたらいいなと思っています。それこそIGLがいない問題もまた1から考え直し、修正に向けていきたいです。

大会を終え、Focus e-SportsのVALORANT部門は解散といった結果となりました。大会が終わったら解散といったチームが多い中、これからも同じメンバーで続けていこうとなった要因は何でしょうか?

Zan:アドバンスステージの最終戦となったIGZIST戦を終えた後、メインステージに進出できなかった悔しさ以上に、このメンバーでもうプレイできないんだなといった感情が強くでてしまいました。

まだまだやれることもあったし、修正できるところもあったのに、時間が足りなくてそれができなったといった後悔が強くありました。

所属していたFocus e-Sportsは解散となってしまいましたが、メンバーと「これからどうするの?」と話し合っていたとき、「このメンバーはまだまだ上に行けると思うし、やれることもあると思うから、とりあえずまだこのメンバーで頑張ってみない?」と話しました。

給料の面などデリケートな部分はありますが、とりあえずメンバー単位でLFTを出し、2、3ヵ月チームが決まらなかったら、個人個人のLFTにしようといった話をしました。

この限られた期間の中、結果を出すことができた僕たちにはまだまだやれることがあると思うし、頑張ってみようといった感じです。

ただ、marucoに関しては体調だったりの問題があるので、シーズンを終えた今は休養して、ゆっくり休んで1から競技を頑張っていきたいと話し合いました。そのためひとまず現在は4人とコーチを含めた5人でLFTを出している形になります。

ありがとうございます。ひとまずオフシーズンとなりますが、VALORNATの競技シーンはインターナショナルリーグを除き1年の前半で終わってしまう問題があります。この期間はコミュニティ大会を中心に出場されていく形になるのでしょうか?

Zan:そうですね。とりあえず公式以外のコミュニティ大会に出場することになると思います。また去年はESL主催の大会がありました。公式ではないけど、公認の大会が結構開催されていたので、今後もそういった大会が開催されることを期待しつつ、競技シーンで活動していきたいと思っています。

大会を終えたら解散、もしくはメンバーがバラバラになるといった問題がある現在の日本シーンですが、それについて選手面から見てどう感じていますか?

Zan:公式戦が少ないので、結果的に勝てないチームは解散といったことが多いと思います。資金作りの面もできないから母体も解散して、そしてメンバーも離れ離れといったことがよくあります。

しかしこういったゲームは同じメンバーで続けることに意味があると感じています。もちろん選手やチーム間の流動性があるのは良いことですが、母体自体が解散となると、競技シーンが縮小していくと思うので、それこそ先述した公認大会を増やしてくれることでメディア露出を増やしていくことが、選手から見ても一番良いのかなと思っています。

最後に一言メッセージを頂いていいでしょうか。

citrous:今年のVCJは惜しくもアドバンスステージ止まりで、メインステージには行けませんでした。今後はメインステージ以上を目標に頑張っていきたいです。

Zanも話していたフィードバックだったり、IGLの問題を修正して、来年はメインステージ、そしてプレイオフに進出した姿をお見せできればいいなと思っています。

ありがとうございました!今後の活躍をお祈りしております。

10 コメント

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  1. 頑張ってほしいね

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  2. 「長く同じメンバーで続けることに意味がある」
    良い言葉、頑張れ

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  3. ここから半年以上公式大会ない、てのは本人たちもスポンサーもやっぱキツいよなぁ…

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  4. 公式大会の数はこれ以上増やせないとしても、もっと公認大会や規模が大きいコミュニティ大会が増えればなとは思う
    でも以前のUTAGEでプロチームが大量辞退したりして、大会を開いてもどうせプロチームは出ないだろうという雰囲気になってしまった。その後のUTAGEもプロが出るときは即席チームばかりになったし
    今だってAIM杯やXROSSCUPみたいなコミュニティ大会は多少あるのにあるけど、プロチームはほとんど出ないし出てもアカデミーやGCのチームばかり

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    1. Riotが主導でやります…つまりLoLのようなフランチャイズリーグにしますって最初から言ってたのでみんなこうなるのは分かってたと思ってたんだけど、本当に想像出来てなかったのか、想像してたけど見ないふりしてたのか気になるわ。

      それにプロがコミュニティ大会出たところで得られるものが多くないしな。

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  5. これからGC始まるし公式放送に割く人員とか考えたら男の方カットになったのかね。来年以降も改善されなさそう。実際無名のチームの試合見たいかって感じだし、smthやfoxyみたいな掘り出し物が見つかる可能性は減ってしまうけど、riotからしたらそういうフェーズは終わったのかもね。若い有望株はZETAとかCRACに拾われていくし取りこぼしも起きないだろう。頑張っている人たちには申し訳ないけど、誰もマイナースポーツやプロ野球の三軍戦に興味がないのと同じで、ゲームも有名チームにしか正直興味がない。これからは、いかにそういう場所に入れるかの努力が必要になる。ただ老兵枠はそう簡単には奪えないだろうし、10代とかしかもう入る隙間は無くなっていくだろうね。

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  6. 気を落とさずに頑張って欲しいわ

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  7. 三軍戦に誰も興味がないとか言うけど見に行く奴は見にいくからそう言うためのいろんなコミュニティ大会の映像だけ配信とか出来ないもんかね

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    1. 映像だけ配信するのにもお金かかるけど誰が出すんだ

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  8. 20歳そこそこで圧倒的に目立つ奴もいないしほしいと思うチームあるのかな
    難しいと思うんだよな、本当にプロになりたいならそこで圧倒的に目立って抜け出すくらいじゃないと
    すでに16歳あたりでアカデミーでしっかり活動ができて目立ってるキッズがごまんといるんだから

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