2021年からDetonatioN FocusMe(当時はDetonatioN Gaming White)の中心人物としてチームを牽引する韓国人選手Suggestの、生い立ちから現在に至るまでを綴ったインタビューがONE Esportsで公開されました。

以下、抄訳した文章を掲載しています。

DetonatioN FocusMe所属のSeo "Suggest" Jae-youngは、韓国人とロシア人のハーフといったユニークな背景を持ち主だ。そして韓国で生まれ育った。

彼の父親は年齢を重ねてもなお、SNSやゲーム配信を見て最新のゲーム情報やトレンドを常に収集していた。そのため、息子のSuggestに新作ゲームを紹介して「このゲームはプレイしないの?」と聞くこともあった。

韓国の親は、教育熱心なことで知られるが、彼の父親は対照的だった。

さらにSuggestのユニークな特徴として、彼はゲームに夢中になる前、子供の頃はスポーツに熱中していたのだ。これが彼の原点でもある。当時のことについて、Suggestはこう語る。

「やったことがないスポーツは恐らくないと思います。」

彼は、父親が大人の嗜みの1つとして勧めてくれたゴルフに熱中した。しかし次第に「退屈」と感じ、ボクシングや総合格闘技など、より体を動かすスポーツを好んだ。また、学業も優秀で、将来的には外交官や国家安全保障で働くことを考えていた。

しかしある日、父親に「PUBG」を紹介され、彼の人生を一変させることになった。

プレイを始めた瞬間に恋に落ち、約2年間、PUBGに熱中した。腕前も上達し、「これを仕事にできないか」と考えるようになった。しかし、学業、スポーツ、ゲームの3つを両立させることは大変だった。

そして彼は、勇気を出して両親に「学校を退学し、ゲームの練習時間を増やしてプロゲーマーになりたい」と伝えた。

父親からゲームをたくさんやりなさいと幼少期から言われ育ったSuggestだったが、当時は期待するような結果は得られなかった。父親は一言も言葉を返してくれなかった。

しかし翌日、目を覚ますと、父親から「一緒に学校に行こう」と伝えられたという。

父親は仕事を半日休み、校長先生の目の前で「息子は学校を辞めます」と伝えた。

その瞬間、彼は安堵の気持ちと共に、大きなプレッシャーを感じた。韓国では学歴が重視され、その人の将来に影響することが多いからだ。非常に危険を伴う決断だったのだ。

そんな葛藤を抱えながら、Suggestはプロ選手になることを目指し、たゆまぬ努力で技術を高めていった。

そして徐々に知名度を上げ、各チームから注目される存在となった。まだ公式大会に出場できる年齢ではなかったので、あるプロチームのアカデミーチームに加入した。その頃には「大会に出場できる年齢になったら、契約したい」とオファーを持ちかけるチームも多数あった。

しかし、彼の誕生日が近づいたある日、Riot Gamesは「Project A」を発表したのだ。現在はVALORANTとして知られるゲームだ。

VALORANTのトレーラームービーが公開されると、彼のすべてが変わった。キャラクターが空を飛び、驚異的な能力を発揮するトレーラーを見て、「これは私のためのゲームだ」と確信した。

PUBGはオープンワールドのゲームで、生存能力に重点を置いていたが、実は彼は、細かいセットプレイやエイムのスキルを重視するゲームを好んでいた。

100%をVALORANTに集中すると決心した時、彼は将来有望であったPUBGのキャリアを捨てた。

「たくさん頂いていたオファーを完全に無視しました。彼らの言葉は片方の耳に入っても、もう片方の耳から出ていくかのような、そんな状態でした。」

そしてVALORANTでプロになることを目指し、彼はPUBGを完全に辞め、VALORANTに似たゲームであるCS:GOを約300時間プレイした。VALORANTのベータ版がリリースされると、彼はVPNを使ってアメリカサーバーでプレイすることもあった。

しかし、彼がプロになる道は簡単なものではなかった。VALORANTのコミュニティでは知名度もコネもないため、プロチームから注目されることはなかった。

そこで彼は、ランクで上位に入ることが成功への近道だと考えた。ただゲームをひたすら練習し、ランクを上げることにたゆまぬ努力を捧げた。すると複数のチームからオファーが届いた。

そして複数チームと交渉を重ねた結果、NUTURN Gamingと契約した(当時はLakia、solo、allow、periが所属していた)。

すると、VALORANT初の国際大会であるVCT 2021 Stage 2 Mastersで3位を達成したのだ。決勝では惜しくもFNATICに敗れてしまったものの、快挙を果たした。

この結果は彼に大きな自信をもたらし、同年末には日本大手のeスポーツチームであるDetonatioN FocusMedと契約を結んだ。そして現在、VCT PACIFIC 2023に出場している。

彼の両親は、彼がゲームで素晴らしい結果を収め、収入を得るようになったことで、以前にも増して、彼のキャリアを応援している。父親は彼の全試合を観戦し、いつも彼のプレイに応援のメッセージを送っている。

母親も同じように応援のメッセージを送り、SNSの投稿には毎回「いいね!」を押している。彼曰く、母親は特にVCT PACIFIC 2023に詳しいようで、「私よりもスケジュールを知っている」と冗談交じりに話してくれた。

「チームメイトと話していた際、eスポーツのキャリアを目指した時の話になりました。親とたくさん喧嘩をしたと聞き、時にはパソコンを投げ捨ててまでゲームを辞めさせようとした聞きました。」

「私は幸運なことに、最初から私を応援してくれた、協力的な両親でした。それが今の私に繋がっていると思います。」

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