フランス・パリに本拠を置くeスポーツ組織のTeam Vitalityは、同市に展開するゲーミングカフェ兼オフィスである「V.Hive」が、国内で発生した大規模デモの余波を受けて略奪および破壊被害に遭ったことを発表しました。公式声明によると負傷者は出ていないものの、ショーウィンドウが破壊されたほか、獲得したトロフィーやモニター、ゲーミングチェアなどの機材が略奪されました。

フランス国内では物価高騰や公共サービスへの資金配分などを巡り、若者を中心とした大規模なデモが各地で展開され、発表では全国110か所で約55万人規模の抗議活動が行われていました。デモの一部が暴徒化して治安部隊と衝突し、公共機関や店舗への襲撃・放火が発生する中、Team Vitalityが運営するV.Hiveも標的となりました。

SNSに投稿された映像では、覆面をした複数人の人物が棒などを使って施設正面のガラス窓を打ち破り、蹴りを加える様子が確認されています。すでに一部のガラスは完全に破断されており、建物からモニターなどの機材を持ち去る人物の姿が記録されています。また、Team VitalityのCounter-Strike 2部門が今年9月にStarLadder StarSeries Fall 2026で獲得したトロフィーを掲げるデモ参加者や、同組織のゲーミングチェアが路上で燃える火の中に投じられる映像も拡散されています。

この事態を受け、Team VitalityのCEOを務めるNeoは自身のXで声明を発表。信念を持って抗議する人々に理解を示しつつも、「略奪や破壊行為は、いかなる闘争においても許されるべきではありません」と強く非難。中国・上海で開催されているVALORANT Champions 2026で同部門がグランドファイナル進出を果たした直後の出来事であったことにも触れ、以下のコメントを残しました。

「改めてお伝えすると、V.Hiveは自宅でインターネットを引くことがまだ非常に高価だった時代に、ネットカフェでeスポーツに出会い、その魅力に夢中になった一人の子どもの夢から生まれた場所です。オープン以来、ゲームプレイの利用料金を1時間あたり3.50ユーロ(約600円)に設定してきたのは偶然ではありません。私たちは常に、10代の若者や低所得層の方々が手頃な価格で集まり、ゲームをプレイし、情熱を分かち合える場所を提供したいと考えてきました。」

「上海での素晴らしい結果によって、まさに夢のような時間を過ごしたばかりでした。しかし今、そこから何千キロも離れた場所で、自分自身の一部が煙となって消えていく光景を目の当たりにしています。デモの権利は、私が生涯守り続ける基本的な自由です。信念のために立ち上がったすべての人々に感謝します。しかし、略奪や破壊行為は、いかなる闘争においても許されるべきではありません。今夜はただただ、深い悲しみに包まれています。」

また、V.Hiveのマネージャーを務めるAerziaは自身のXで、「負傷者は発生しておらず、事件発生時は一般客およびスタッフの双方に対して施設は閉鎖されていました」と説明。加えて、Team Vitalityはチームの公式Xにて以下の声明を公開しました。

「本日、10月17日のデモ活動の余波を受け、当クラブの施設が略奪被害に遭いました。幸いにも、スタッフやファンに怪我人は出ておりません。しかしながら、ショーウィンドウは破壊され、トロフィーやコンピュータ機器が盗み出されました。被害の全容を把握するまでの間、V.Hiveは臨時休業といたします。今後の詳細については改めてお知らせいたします。どうか安全にお過ごしください。」

Team Vitalityは、現在中国で開催中のVALORANT Champions 2026に出場中で、本日行われるグランドファイナルではチーム初となる国際大会タイトル獲得に向けて、ブラジルのLOUDと対戦します。

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