Liquid VALORANT部門でコーチを務めるSliggyに「VALORANT Champions Tour 2021  Stage 2 Masters Reykjavík」へ出場するチームに関してインタビューを行った記事がLiquidの公式サイトより公開されています。

インタビューは、北アメリカより出場するVersion1、Sentinels、ヨーロッパより出場するLiquid、Fnaticへ焦点を当てた内容となっており、競技シーンを追う方にとって興味深い内容となっています。

以下、インタビューより一部抜粋した文章を引用しています(読みやすくするため、一部文章を入れ替えています)。インタビュー全文は原文よりご確認ください。


北アメリカ

Version1は非常に好奇心がそそられるチームだと思います。彼らがアイスランドへの出場を決め、どのくらい驚きましたか?

Version1にはイギリス出身のコーチ*がいますよね。彼とは普段からよく話をしているため、彼らのやることは何でも知っているつもりでした。予選では、メンバーを少し変えていました*が、それでも核となるメンバーは同じだったため、彼らの試合はよく見ていました。彼らのプレイには本当に感銘を受けました。

コーチのImmiはかなりの時間を費やし、選手たちもかなりの時間を注いでいることがプレイから分かります。私の意見では、彼らは一貫してダークホースのような存在でした。私の配信でも彼らの試合をよく見ていましたが、「彼らは今日も勝つだろう」と思っていました。そして、今大会で、コミュニティを荒らし、アイスランドへの出場権を勝ち取ったのです。

彼らは本当に優秀ですし、メタをよく理解しています。ヴァイパーを多用しているし、ソーヴァのショックダーツのコンボもよく使っています。このゲームは環境の変化が激しいので、本当に時間を費やす必要があります。彼らがどれほどの努力を行ってきたか、一目瞭然ですので、彼らの結果に嬉しく思っています。Version1には良い選手がたくさんいます。

また、彼らとの対戦を楽しみにしています。wippie*がVISAの関係で出場できないことは残念ですが、それでも彼らは強くなると思います。多くのチームが彼らを過小評価していましたが、彼らは確実にメタを理解していることを見せつけたと思います。

*Version1のコーチImmiはCS:GO出身のコーチ。CS:GOでのコーチング経験は非常に豊富で、NRGを始め、数々のチームを率いてきた。LiquidのコーチSliggy同様にイギリス出身で、交友は深いと思われる。

*PLAYER1に代わってwippieが加入している。

*wippieはCS:GO時代よりアメリカを拠点に戦っているが、ロシア国籍を持つwippieはアイスランドへのvisaを取得できなかった。


話を聞いていると、Version1に仲間意識があるように聞こえますが、どのように感じているのでしょうか?

そうですね。特にImmiがどれだけ努力をしているか知っていますし、Zellsis、vanity、effyの経歴も少し知っており、彼らがどれだけ努力してきたかを知ってるので、Version1は努力家が集まったチームのように感じます。私は努力家が好きで、非常に尊敬しており、彼らがそれを証明してくれたことに嬉しく思います。


Sentinelsについての質問です。彼らは優勝候補のチームですが、「TenZと仲間たち」というミームについてどうお考えですか?

TenZ以外の4人の選手も非常に重要で、彼らにはコーチがいないので、ShahZaMのような選手は特にやるべきことが多いと思います。少し前の彼らの作戦を見ていた時は少し予想のつく動きをしていたように見えますが、その後、新しい作戦を追加し始めました。つまり、彼はとてもチームに貢献しているはずです。

また、TenZのプレイは明らかに群を抜いています。マップ上のスペース確保も上手で、重要なキルもとるし、チームの重要なポジションを担っていますが、それでも彼以外の4人も素晴らしいと思います。

TenZが加入し、彼らは短期間でエージェント構成を変え、新しいエージェントを学ぶ必要がありましたが、今ではNAで最高のチームです。5人の優秀な選手がおり、ShahZaMがIGLとしてチームをまとめています。彼らの内部事情を詳しく知りませんが、先ほども述べたようにShahZaMの膨大な仕事量は見ていてよくわかります。


ヨーロッパ

ここで私たちの地域についてお話ししましょう。ScreaMはヨーロッパは他の地域と同じかそれ以上に強いと公言しています。Mastersが開幕しますが、ヨーロッパはどのような状況にあると感じていますか?

私たちヨーロッパか北アメリカのどちらかが有利だと思っていますが、ブラジルも入れていいと思います。私たちを優勝候補とおく理由として、VALORANTの競技シーンの初め、どれだけ多くのプレイスタイルを持つチームと試合を行ったかということにあるでしょう。

CIS、トルコのチームと対戦しましたが、彼らはブラジルのように少し攻撃的なプレイをしていました。このように、さまざまなスタイル、チームと対戦してきたこと、そしてそのスタイルに素早く適応できたことが、私たちの強みになっていると思います。


Fnaticのお話に移します。Fnaticのバインドは世界一でしょうか?

はい。彼らのバインドには勝てません。彼らに対抗するにはどうしたらいいか、数時間かけて話し合っても答えが出てきません。彼らのバインドは全てが素晴らしく、非常にシンプルなんです。

彼らのバインドは30秒、時には50秒待ち、グループで動き、セットでサイトを攻撃し、設置後も上手く動きます。シンプルのように聞こえますが、最初の50秒以内にプッシュしてくる敵のキルが得意です。どうやって対抗するかを話し合ってきましたが、本当に難しいです。彼らのバインドは完璧です。私たちも彼らに近づこうとしましたが、練習時間が足りませんでした。


FnaticにDerke、Magnumが加入しましたが、この2人がチームにもたらしたものは何でしょうか?

今の彼らはFnaticの強力な武器です。非常に若く、才能にあふれており、とても上手くいっているように見えます。Derkeも噛み合っていますし、Magnumは本当に上手くセンチネルを使いこなします。この2人をスカウトしたのが誰にせよ、Mini(Fnaticのコーチ)は良くやったと思います。


Liquidについて少しお話を聞かせてください。Liquidは他のチームと比較して何が違うと思いますか?

私たちは、他の全てのチームを合わせたようなものです。順応性が高く、決まったスタイルもないため、相手に合わせた自分たちが思う良いプレイができると思います。


Liquidの特徴はショットコール*と専門のIGLが存在しないことですが、今もそのスタイルを取っているのでしょうか?

もし誰がIGLを担っているかと言うと、Soulcas、ScreaMでしょうか。今はこの2人が分担して行っています。彼らが一番声を出していると思いますが、皆で声を出し、たくさんの意見を出し合っています。Jamppiはチームのモチベーションを高める役割も担っており、たくさんのプランも考えてくれます。Jamppiが静かになると、Soulcas、ScreaMが中心になるでしょうか。

しかし、本当はもっとたくさんコミュニケーションを取ってほしいです。これは私たちが何度も話し合ってきた内容の1つで、「計画、指示がないよりは、それが間違っている方がいい」ということです。

何かアイデアがあっても、それが間違っていたらどうしようと思うなら、そんなことは気にしなくていいです。皆が計画に忠実であれば、悪い計画であっても上手くいくことの方が多いです。

私たちが最初に重視したことは、皆で自信をもってアイデアを出せば、それが間違っていても大丈夫ということです。誰も何も言わなかったら、どうせ上手くいかないし、絶対にコミュニケーションは取った方が良いんです。

これが私たちのショットコールのプロセスです。その場で、皆が同じ考えを持つ限り、間違った指示はありません。だから、最初の指示で皆が「うん、いいね、やろうよ」と言ってくれるんです。

*ショットコール:ラウンド開始前に全体の流れ、作戦、何をすべきか決めること。


Liquidの全勝で優勝する可能性はあると思いますか?

全勝できる可能性は大いにあると思います。繰り返しになりますが、国際的に活躍しているチームが現状では無いので、どのチームが優れているかの判断は非常に難しいです。しかし、他のチームを全て無視して考えた場合、私たちの状態はこれまで最高の状態にあると思います。


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