今年7月、韓国のインターネットカフェのFPSプレイランキングで1位を獲得したVALORANTですが、Riot Gamesのスタッフにその理由を聞いたインタビュー記事が일간스포츠(韓国のスポーツ紙)で公開されました。

以下、記事から一部抜粋した文章を引用しています。

インターネットカフェのFPSの覇権が変わりつつある。Riot Gamesが展開するVALORANTが、サドンアタックやオーバーウォッチなど人気ゲームを押しのけ、インターネットカフェのFPSランキング1位を達成した。

2020年6月にサービスが開始して以来、韓国でユーザー数が伸び悩んでいたVALORANTだが、昨年から右肩上がりにユーザー数が上昇。リリースから3年が経った今、人気ゲームの1つとなった。一部業界では「FPSの世代交代が行われているのではないか」といった見解も出ている。

サドンアタックやオーバーウォッチと長らく人気を博してきたゲームと今後新たに登場するであろうゲームの人気を阻止することができた場合、VALORANTは世代交代にくさびを打つことができる。

リリースから3年、VALORANTの猛攻が始まった

VALORANTは、Riot Gamesが2020年6月にリリースした5人対5人のスキルベースのFPSだ。Riot Gamesの大ヒット作であるLeague of Legends以来、初めて披露する新たなIP(知的財産権)という点で注目を集めてきた。

しかし、リリース初月のプレイ率は僅か1%で、2020年、2021年の2年間は3%を超えることをできず、ランキングも10位前後を行き来していた。そのため大々的にリリースされたにも関わらず、同じく消えていった他のゲームと同じ道を歩むのではないかといった意見が多数あった。

しかし、2022年から状況が変わった。VALORANTの人気は右肩上がりに推移し、2022年7月には初めて3%を超え、8月17日には4.08%、9月3日には5.08%を記録した。ゲームのプレイランキングでもトップ10に入り、9月17日には5.95%で過去最高の3位にランクインした。

そして今年、プレイ率を3回も更新した。3月11日に7.13%、7月5日に7.44%、7月19日に8.41%と記録を更新し続けた。長らく首位に立ち続けてきたサドンアタックとオーバーウォッチを追い抜き、新たな人気ゲームとして浮上したのである。

Riot Gamesの意見としては、6月末に行われた大規模アップデート「エピソード7」以降、インターネットカフェでのシェアが大きく上昇したと分析している。

同社の関係者は「エピソード7のアップデートが行われた後、日別の平均プレイヤー数は直前1週間より21%上昇しました」と話す。また「7月5日には7.44%のプレイ率を記録し、ディアブロ4、サドンアタックを抜き、ゲームプレイ率ランキング4位を達成しました」と語った。

VALORANTのユーザー層は10代から20代に拡大している。独自調査の結果、2020年から2年間で、20代のプレイ人口が34%増加した。Riot Gamesの関係者は「ユーザー数増加と年齢層の拡大は明るいニュースですが、私たちは1人当たりのゲーム時間が増加していることも評価しています。この数値が安定すれば、VALORANTを楽しむユーザーが増えていると定義することができるでしょう」と話した。

世界では既に「大流行」しているVALORANT

韓国国内のインターネットカフェで少しずつ右肩上がりになるVALORANTだが、海外では既に「大流行」のFPSとして定着している。

Twitchの統計によると、7月2週目のVALORANTの平均視聴者数は14.4万人を記録し、FPSの絶対強者であるCS:GO(当時8.6万人)を上回った。14.4万人という数字は、10年以上人気を博すLeague of Legendsと同じだ。

VALORANTはeスポーツ業界で着実に成果を出し続けている。年間王者を決定する最も権威ある大会のVALORANT Champoins 2022は、最大同時視聴者数150万人を記録した。そして今年開かれたVCT 2023 LOCK//IN、VCT 2023 Masters Tokyoはそれぞれ140万人、83万人を記録した。

今年からはフランチャイズ制度が導入され、商業的なプロリーグとなった。そして8月にはVALORANT Champions 2023が開催予定だ。また昨月には中国国内でも正式リリースされ、世界的にも更に勢いを増す見通しである。

初心者でも楽しめるシステムを構築と「Z世代」を捉えたマーケティング

リリースから3周年を迎えたVALORANTの人気が上昇している理由の1つとして、初心者でも簡単に楽しむことができるシステムが挙げられる。

タクティカルシューターは、本来の銃撃戦に加え、1人称視点とミニマップで繰り出される多数の情報が必要となる難易度が高いジャンルである。VALORANTはこの課題を、エージェントのスキルで解決した。

同社関係者は「ゲームを始めたばかりのユーザーでも、味方を回復、進入路の確保、エリア監視など様々なスキルを通じてチームに貢献することができます。そのような側面からも楽しさを感じることができるゲームを設計しました」と話す。幅広いプレイでゲームを楽しむことができるシステムは、新規ユーザー定着に大きく貢献した。

また、Riot Gamesの関係者は「VALORANTを知らない人が初めても、チュートリアルやチームデスマッチ、スイフトプレイなどから、ゲームを簡単に覚えることができます。簡単でカジュアルなモードに触れてもらうことが重要です」と話す。そして「その後、ゲームに慣れてきたらコンペティティブ、Premierなど本格的に実力を競う段階に繋がります」と付け加えた。

Z世代を狙った多様なコンテンツもユーザー層の拡大に一役を買った。昨年2月、韓国の人気ラッパーlIlBOI、Miraniと韓国人エージェントのジェットがコラボしたミュージックビデオ「Can’t Slow Me Down」はYouTubeで700万回以上の再生回数を記録した。

そしてミームや流行語を取り入れたパッチノートや初心者向けのYouTubeのショート動画などが好意的な反応を得た。

自分の好きなことを他人と共有し、一緒に楽しむZ世代の特性を大会に反映したことも好評を得た。友人と一緒にをVALORANTに参加した際、ゲーム内のアイテムなどが貰えるイベントを開催したり、友人とチームを組むことでゲーム内アイテムのタイトルが貰えるイベントも好評だった。

VALORANTは常に新しい楽しみを提供するよう、新規コンテンツの開発にも力を入れている。現時点でエージェントは22人、マップは9つとリリース時より2倍以上に増え、ゲームモードもプレイ時間や実力などを考慮し多様化した。プレイ時間を短縮したスイフトプレイ、武器がランダムのスパイクラッシュなど様々なモードがリリースされた。

そして、Riot Gamesはこの夏、様々なイベントでVALORANTを更に盛り上げる予定だ。8月末にはチームベースのコンペティティブモード「Premire」を正式にリリースする。仲間と共にチームを結成し、決められたスケジュールで対戦する新たなゲームモードだ。

インターネットカフェの業界関係者は「競争が激しいFPSゲーム市場でのVALORANTの追い上げは本当に凄いことです。注意深く観察しています」と話す。「VALORANTはeスポーツとしての興行を着実に行い、ゲーマーを定着させていることが強みです」と語った。

また「だからといって、サドンアタックやオーバーウォッチなど既存ゲームの人口が減ったわけではなく、これらのゲームも人気は上昇しています。今後はゲームの運営能力とユーザーとの継続的なコミュニケーションが生き残る1つの要因になるでしょう」と付け加えた。

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