VCT GC、日本大会の視聴者数がアメリカやヨーロッパを上回る、海外では人気ストリーマーによるウォッチパーティーが配信データに大きく影響

ZETA DIVISION GGの優勝で幕を閉じたVCT 2023 Game Changers Japan Split 1ですが、世界各地域で開催されたGC大会の視聴者数で日本がアメリカ、ヨーロッパを上回ったことが明らかになりました。

eスポーツ大会の統計を収集するEsports Chartsによると、日本大会の最高視聴者数が36,695人で全地域最高値を記録。一方、昨年人気を誇ったアメリカやヨーロッパはそれぞれ33,886人、31,746人と前シーズンより減少する結果となりました。

各地域の視聴者数ランキング

ヨーロッパのVCT 2023 GC EMEA Series 2には計16チームが参戦。G2 Esports、Natus Vincere、Karmine Corpe、NiPなどヨーロッパの人気チームが出場し、決勝ではG2 GozenがFUT Esportsを3-1で下し優勝を果たしました。

累計視聴時間は77万9,000時間、平均視聴者数は1万人、最大視聴者数は3.38万人を記録。前大会と比較すると、平均視聴者数と最大視聴者数は半減する結果となりました。

また11-12位で終了したKarmine Corpの試合がトップ5を占め、同チームのオーナーを務めるKamet0のウォッチパーティーが統計に貢献。ストリーマーによるミラー配信が大きく影響する結果となりました。

アメリカのVCT 2023 GC NA Series 2では、Version1がComplexity GX3を3-0で下し優勝。Version1は1マップも落とすことなく無敗で王者に輝きました。

累計視聴時間は30万9,000時間、平均視聴者数は1.26万人、最大視聴者数は3.17万人を記録。前大会と比較すると、平均視聴者数、最大視聴者数ともに10~14%減少し、総視聴時間はほぼ横ばいの結果となりました。

また、北米大会も同様に、人気ストリーマーによるウォッチパーティーが大きく貢献。DisguisedToastが自身のチームであるDisguised GCの試合をミラー配信を行うことで多くの視聴者を集め、トップ4を独占しました。なお最終結果は3位で終了しましたが、決勝のVersion1 vs Complexity GX3の2倍以上の視聴者数を記録しています。

日本で開催されたVCT 2023 GC JapanではZETA DIVISION GCがDRX Changersを3-1で下し優勝を飾りました。またプレイオフ出場チームは4チームということで、他地域と比較し最も短い配信時間となりましたが、累計視聴時間は35.3万時間強、平均視聴者数は1.96万人、最大視聴者数は3.66万人を記録しました。

人気ストリーマーのミラー配信が人気だった他地域と異なり、日本の競技シーンは公式配信が人気でした。mittiiiのようなストリーマーも配信を行っていましたが、アメリカやヨーロッパの人気ストリーマーと比較し視聴者は伸びずに終わりました。その理由は、単に日本のコンテンツ消費の文化が異なるからだとEsoprts Chartsは分析します。

インターナショナルリーグやチャレンジャーズリーグではアメリカ、ヨーロッパ、日本が特に人気を博していますが、女性シーンでも同様の結果が得られました。しかしそのほかの地域での人気は著しく低く（上記サムネイルを参照）、4位の視聴率を記録したアジアですら3位のアメリカの1/3に留まりました。またラテンアメリカや韓国になると、最大視聴者数は1,000人から3,000人前後とその差は10倍以上にも開き、女性シーンの開拓が進んでいないことを示しています。

ブラジルで開催予定の世界大会VCT 2023 GCは、現地時間11月-12月3日に開催。ヨーロッパとアメリカから2チーム、ブラジル、ラテンアメリカ、東南アジア、東アジアから1チームが出場します。昨年の世界大会は累計視聴時間540万時間、23.9万人の最大視聴者数を集めましたが、今後の動向に注目が集まります。