VALORANT Champions Tour 2021 North Americaで公式キャスターを務めるddkのAMA (Ask Me Anythingの略で質問コーナーの意味) がRedditにて実施されています。

CS:GOで人気キャスターの1人として知られるddkは、昨年よりCS:GOと並行してVALORANTでキャスターとして活動を開始。現在は、年間チャンピオンを決定するVALORANT Champions Tour 2021 North Americaのキャスター陣の1人として参加しています。

Redditより実施されたAMAでは、コミュニティより寄せられた数十の質問に回答しており、非常に読み応えのある内容となっています。当記事では、その中からいくつかピックアップした回答を掲載していますが、気になった方はリンクから是非ご確認ください。

アイスランドで開催される国際大会の1位、2位、3位の予想を教えてください。

1位 - Team Liquid
2位 - Sentinels
3位 - Team Vikings / Fnatic

上記が一番わかりやすく、安心して回答できる大会の予想結果だと思います。チームのパフォーマンスには様々な要因がありますが、その中でも更に難しい要因があります。それは、オフラインでの経験、オフラインでのプレイスタイルの違い、異なるプレイスタイルの衝突、慣れないエージェントメタ同士の対決、初見でのエージェント構成などが存在します。

私は今、ヨーロッパのVALORANTのプレイスタイルがとても気になっています。Sentinelsは全体的な個人スキルが最も高いチームで、非常に適応力があると思いますが、LiquidはVALORANTの本来のプレイをしていると思います。

ブラジル、アジアなど、あまり馴染みのない地域のチームについては、まだまだ勉強する必要があります。フルタイムの仕事をしながら、自分のプロジェクトにも取り組んでいるため、毎週、毎日、VALORANTの全てのシーンを熟知し続けることは大変なことです。

そのため、大会が近づいてきて出場チームが決定し、ラインナップを検討する時間が出来たときは今と意見が変わるかもしれません。

正直に答えてください。Counter Strikeと比較して、3年間でVALORANTの競技シーンはどこまで成長すると思いますか。

CS:GOはいつまでも成功し続けると思います。しかし、Valveはeスポーツの発展により積極的に関わっていくべきだと思います。彼らが抱えるCounter Strikeと言うゲームは、私たちが知る中で最も素晴らしい競技シーンのバッググラウンドを持っており、そのゲームの発展を先導していこうとしないのは、私から見ても非常におかしいことです。

現時点では、大会主催者たちが解決できないような問題が何年にもわたり、数多く発生しています。しかし、それはいつか改善されるでしょう。誰かがその問題を解決する時間はたっぷりとあると思います。

eスポーツとしてのCS:GOとVALROANTへの投資が、今後どのように流れていくか非常に気になります。VALORANTの方が魅力的なゲームだった場合、更に多くの投資を得ることが出来るでしょうか?北米のCS:GOシーンで見られたようにより多くのプロ選手達を引き離すことになるのでしょうか?経済的な面でも見ても、私は多くの疑問を感じています。

オフラインに戻り、CS:GOが更に流行する方法が見つかると期待しています。私はCS:GOで行う実況・解説が大好きで、それは特別な感情もあります。

VALORANTは確実に成功すると信じています。アジア市場では、クロスファイアの影響もあり難しいかもしれませんが、アジアで大きなシェアを獲得できれば、3年後にはCS:GOより遥かに大きな影響力を持つゲームとなっているでしょう。アジアシーンの獲得は挑戦的なことかもしれませんが、Riot Gamesはアジア市場に熟知しており、ゲーム自体が魅力的なことを考えると、VALORANTの方が遥かにチャンスがあると思います。

Riot Gamesにとってのもう1つのメリットは、一般的な視聴者にとって、CS:GOと比較してストーリー面でファンを引き寄せる力があるかもしれないということです。CS:GOの問題点の1つは、トップチームが隔週で対戦する大会が常に開催されていたため、何が重要な大会かを読み解くことが難しかったと思います。唯一あるとしたら、メジャー大会が最も重要な大会であるといったことだけでしたが、ESL Cologneの様な大会がより競争力があり、より良い大会フォーマットがあり、ラインナップによる問題が少ないなど、メジャー大会より優れた大会であるといったことは多いのです。

とはいえ、CS:GOは誰が見ても直感的に理解できるため、その面ではバランスはとれいているかもしれませんので、何とも言えません。

大きな試合で実況を行う前の準備、ルーティンを教えてください。

私は他のキャスターと異なる点があります。そして、VALORANTでの準備は、CS:GO、Quakeでの準備と異なります。

CS:GOでは、マクロ・ミクロに関する分析を予習するようなコンテンツを作っていました。また、実況を担当することが多かったため、それ以外の準備はあまり行っていません。私のスカイボックスの動画を御存じの方は、その動画は良い例だと思います。

VALORANTでは、前年よりも作業量がかなり増えたので、精神的に少し参っています。私はCS:GOを見てきて何年もかけて構築してきた戦術的FPSにおける知識にかなり頼っていますす。そのため、戦術やプレイスタイルを知っているだけで、実況の準備をできるため、それらがVALORANTに役立っているように感じます。

更に見落としが無いようにするために最近始めたことがあります。それは、アナリストにお金を払って特定のチームを調査してもらい、自分の知識が欠けているかもしれない特定の戦術、特徴をチェックとしてもらうことです。

Sean*が私と上手くいっている理由として、彼は戦術面におけるゲームの達人であることです。そのため、実況では彼の知識を活かし、上手く表現してくれます。私はマクロ面でのエリア取りや知識を活かして視聴者に注意を向けさせ、Seanは選手がどのようなことをしようとしているのかを解説します。

*Seangaress - SeanもDdk同様にCS:GOにルーツを持つVAORANTの解説者。CS:GOでプロとしての活動経験が豊富なため、Seanの深く分析した解説や動画は人気が高い。

コンビとしてやることはまだまだたくさんありますが、この点でお互いに補強し合っていることは非常に気に入っていますし、時間をかけて更に強化したいと思っています。

また、時間がある時はマッチメイキングをプレイしたり、Immortal帯でまったりプレイしています。しかし、これはアングルやプレイヤーの傾向、タイミング、戦術など、より細かい要素に精通する為のものであり、実況面ではあんまり意味がないと思います。

eスポーツに関連する仕事に就くためには何をしたらよいでしょうか。

一番必要なものとすれば、情熱、仕事に対する意欲、ビジョンがあります。自分がやっていることを楽しんでいて、充実したものであれば、それらが助けになりますが、保証はないと思ってください。

保証はないため、全てを受け入れて、何事も大丈夫と思えることが必要です。そうすれば、途中で挫折しても苦ではないですし、逆境の中で自分の仕事に集中することができます。それがeスポーツの旅です。

この仕事の成功とは、価値観、努力、コミュニケーション、スキル、タイミング、運など、様々なものが組み合わさって生まれます。競技シーンと同様に、成功したければ自分が有利に動けるよう最善を尽くさなければいけません。そのため、仕事を続け、スキルを身に着け、自分が最も活躍できると思う分野でその価値を提供し続け、積極的に他の人とも接していくことが大事です。

あなたがどのような仕事を求めているのか、より具体的な質問が無いと答えることはできませんが、これが私が答えられるベストの回答です。

アイスランドへの出場権を勝ち取ったチームにFIRST STRIKEのチャンピオンが居ないことにについての意見を教えてください。

それは意味のある結果でしょう。このゲームには多くの流動性があり、どのチームもトップを維持することは難しいでしょう。

  • 常に更新され続けるエージェントプール
  • 戦術の多様化
  • 総ラウンド数の少なさ
  • 新マップの追加
  • 大会形式
  • 新しいゲームであること
  • CS:GOと比較して機械的なスキルの上限が低い
  • 武器のバランス調整はCS:GOより高頻度で行われる
  • アビリティ、エージェントのパッチも頻繁に行われる
  • 地域によるメタ(総ラウンド数の少なさ、戦術の多様化を理由に、更に地域間の差を生むと思われる)

これらの問題は、VALORANTのeスポーツシーンを発展させていく中で、この問題を健和する必要があるのか、それとも自然に解決してもらうのを待つかといったことです。チーム間の実力差が大きすぎると、優れたチームも十分に報われないことを意味するため、ストーリー性と競技シーンの面白さを薄めることになります。その点で、Cs:GOは素晴らしいポジションにあると思っており、優れた大会形式は多くの優れたチームに対して勝利のチャンスを与えます。

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