現在、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの3地域でインターナショナルリーグが開催中ですが、それと並行し、世界各地域では2024年度のインターナショナルリーグ昇格をかけたVALORANT Challengers League 2023が行われています。

アメリカやブラジル、日本では人気を誇るチャレンジャーズリーグですが、ヨーロッパでは視聴者数減少によるスポンサー撤退で厳しい状況に置かれており、北欧リーグのVCL 2023 Polarisでは配信試合の減少など対応が行われています。

そして今月25日、VCL 2023 Polarisに出場中のアマチュアチームHSDIRRが突如解散を発表。大会開催中の中解散となったHSDIRRですが、同チームに所属したMeddoがヨーロッパのチャレンジャーリーグズの問題点や懸念をDexertoのインタビューで語りました。

以下、抄訳した文章を掲載しています。

VCL 2023 Polaris Split 2に出場中のHSDIRRは、4月25日、突然の活動停止を発表した。このニュースを受け、ヨーロッパのTier2シーンの現状を改めて思い知らされた人も多いだろう。

同チームは今月初めに行われたInsomnia 70 iSeries Challengeで優勝を収め、明るいスタートを切った。大会終了後にはチームの公式Twitterで「Polaris優勝の旅が始まる」とツイートした

しかしちょうど2週間後、チームは解散した。Riot Games公認の北欧リーグVCL 2023 Polarisは辞退し、「Tier2シーンの現状」から解散を決断したのだ。

この発表はヨーロッパのコミュニティに大きな衝撃を与えた。ヨーロッパでは選手への賃金未払い、衝撃的な低視聴率、財政問題、スポンサー撤退などネガティブなニュースが溢れており、競技シーンから撤退するeスポーツチームも少しずつ現れている。

北米や日本などTier2シーンが盛り上がる地域も一部存在するが、9つの地域に細分化されたヨーロッパでは厳しい現状が続いている。その現状を受け、元G2 EportsでHSDIRRのメンバーだったMeddoはインタビューでこう語る。

「契約してくれる組織が見つかる可能性が非常に低いことは、メンバー全員が分かっていました。いつ解散するか分からない、そういう状況でした。」

「チーム内の雰囲気も最高とは言えませんでした。選手全員が口を揃えて話すのは『昨年度との違い』。2022年と大会形式も雰囲気も大きく異なり、プレイすることに乗り気ではなかったことも事実です。」

「(Polarisでは)試合に負け始めてから、プレイのモチベーションが下がってしまいました。メンバー全員が、普通の仕事に就かなければいけないと思い始めました。4試合連続で敗北した後、プレイオフに進出チャンスが無くなり、みんな辞めて普通の仕事を探した方が良いと判断しました。」

VCL 2023 Polarisからチームが撤退したことは、今回が初ではない。現在Oxygen Esportsでコーチを務めるbonkarが率いたBonkも、VCL 2023 Polaris Split 1終了後に解散し、メンバー全員がそれぞれの歩み始めた。

この状況を受け、ヨーロッパのeスポーツ責任者を務めるRiot GamesのDaniel Ringland氏は、ヨーロッパのチャレンジャーズリーグが低迷していることを認め、「全てのリーグを我々が想定したレベルまで引き上げる必要がある」と以前にインタビューで語った。

Esports Chartsによると、VCL 2023 Polarisの平均視聴者数は1,576人と微々たるものだ。そのため今週火曜日は公式配信を行わず、ストリーマーやインフルエンサーにウォッチパーティーを頼み、経緯削減を行っていた。

また、MeddoはRiot Gamesが「シーンを放置している」と述べ、こう語る。

「Riot GamesはTier2シーンを放置していると、本当に思います。その酷さは明らかです。主催者が全試合を配信することができないのだから。リプレイ機能もないので後日の試合公開もできないし、配信の質は下がっていくばかりです。」

「もちろん、メリットもないことに投資できないことは理解しています。しかし、Riot Gamesが介入して助ける必要は確実にあります。例えば、主催者に支払う金額を増やし、もっと良い配信や運営ができるよう、サポートするべきだと思います。」

「eスポーツの冬」と呼ばれる中、チャレンジャーズリーグの多くのチームが組織探しに苦労している。それもそのはず、VCL 2023 Polarisに出場するチームは半分がアマチュアチームなのである。

そんな中、昨月にRiot Gamesがギャンブルサイトのスポンサー契約を許可する可能性があるといったニュースが流れた。一部の選手にとっては、未来が明るくなるかのようなニュースだった。

しかし、Riot Gamesはこの報道を否定し、チームスポンサーのカテゴリーを変更するつもりはないと語った。MeddoはRiot Gamesの決定についてこう語る。

「実は、ある組織と契約する寸前まで交渉が進んでいました。しかし、そのチームはギャンブルサイトがスポンサードしているチームでした。」

「Riot Gamesがギャンブルを許可すれば、より多くのチームが参入し、より多くの選手が活動できるかもしれません。」

厳しい意見を出し続けるMeddoだが、Riot Gamesがこの状況を一転してくれるかもしれないと希望を抱いていると語る。

「今はかなり厳しい状況ですが、私はRiot Gamesを信頼しています。彼らがこの状況を打破する能力を持っていると信じています。」

「ただ、これから多くの選手が離れていくことは避けられません。今シーズンの残りの期間、何が起きるかも分かりません。選手たちは『安定』を求めていますが、それがこの地域にはないのです。」

MeddoはCS:GOでMovistar Riders、Fnatic Academyで活動した後、VALORANTに移行した。VALORANTではFunPlus Phoenix、Giants Gaming、G2 Esportsと強豪チームを渡り歩いてきた。

しかしそれが今になっては遠い昔のように聞こえる。彼はまだ選手活動を続ける決意を固めているが、同時に他の選択肢も広げている。今は大学の成績を上げつつ、選手と学業を両立させている。

「私が再びトップに返り咲くことは、非常に難しいと思います。この道は非常に険しく、簡単なことではないと理解しています。」

「しかし、私はただ選手として活動し続け、ベストを尽くしたい。ある程度安定し、基盤もしっかりとしたチームと共に成長したいと思っています。それが現在の私の目標です。」

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