スマーフ対策として電話番号による二段階認証の実装を求める声がコミュニティから多く寄せられるVALORANTですが、二段階認証を実装しない理由を開発者が明らかにしました

今回明らかにしたのは、VALORANTのランクシステムを手掛けるシニアコンペティティブデザイナーのEvrMoar氏。二段階認証の実装を行わない理由を数字を基に解説し、コメントの最後ではスマーフ対策に向けた新たな取り組みを明らかにしています。

二段階認証でスマーフの数は減少するが、問題解決には繋がらない

二段階認証は諸刃の剣です。二段階認証でスマーフの数を減らすことはできますが、解決には繋がりません。スマーフの多くはVALORANTが上手なプレイヤーです。彼らはゲームにお金を使うことに躊躇がないため、電話番号、サブアカウントをを購入するなどで解決には繋がらないと考えてます。

二段階認証が解決に繋がらない理由を数字と交えて説明しましょう。例えば、アイアンからシルバー帯で10試合に1人、スマーフに遭遇するとします。そして、もし二段階認証が実装された場合、その確率は15試合に1人に減少すると仮定しましょう。つまり、スマーフを50%減少させることに成功するのです。

しかし、それには大きな代償があります。下位ランク帯のプレイヤーたちは携帯電話を持っていない、またはインターネットカフェでVALORANTをプレイしているユーザーが多いと調査結果があります。もし二段階認証が実装された場合、彼らがゲームをプレイすることができなくなり、約3%のユーザーがゲームを辞める可能性があるのです。

しかし、ゲームにお金を使うことに躊躇いがないスマーフたちを止めることはできません。0.5%のスマーフを選ぶか、3%のプレイヤーを選ぶか、コストに見合うかどうかを判断しなければならないのです。

その上、二段階認証にはコストがかかります。システムの維持費、サービスプロバイダーの維持管理、バグ修正など、ゲーム面以外での作業が増えます。そして更に、電話番号、サブアカウントを購入し続けるスマーフたちへの対策も考えなければいけないのです。

電話番号による二段階認証は、スマーフを防ぐためのバリアではなく、単なるペイウォール(コンテンツを一部有料化することでアクセスを制限すること)なのです。

これは問題の本質を解決していない、と私たち開発陣は考えています。ゲームをプレイできないようにすることで解決策を作り出しているに過ぎません。解決策ではなく、緩和策なのです。

スマーフを検知して内部レートを迅速に修正する優れたマッチメイキングシステムがあれば、そのような解決策に頼る必要はないと考えています。二段階認証は、プレイヤーがスマーフを行う理由を解決するものでもなければ、アカウントを検出するシステムでもありません。

二段階認証はただ壁を作るだけで、スマーフ問題を解決するただの壁にすぎません。結局はスマーフより多くのユーザーをブロックすることになるでしょう。VALORANTをプレイする全ユーザーが携帯電話を持っていると思いますか?100%そんなはずはありません。

もちろん、二段階認証は緩和策にはなります。実装する価値もあるかもしれません。しかしそれを実装し、コミュニティにどう影響を与えるかを予測し、更にそれを維持する資金があるのでしょうか?残念ながらありません。

私たち開発陣は、スマーフ対策に向けた解決策を全て使い果たしていません。そのため、解決策ではなく緩和策を行う必要はまだないと考えています。

また、私たちが行うスマーフ対策を完全に明らかにしていないこともそういった理由があります。内部レートにどう調性を加えたか、スマーフ検出システムをどう変更したかなど、私たちの対策をスマーフの方々に知られたくないのです。もちろん、スマーフ対策を新たに実施した際は皆さんにお知らせしますが、正確には伝えてません。

アカウントを作成しコンペティティブをプレイするためには、アカウントレベルを上げる必要があり、長い時間がかかります。そしていざランクをプレイし、「スマーフのように」プレイすると、内部レートは迅速に調整されます。実際、スマーフをしている方々に話を聞くと、「内部レートが調整されている」と身に染みて感じるらしいです。

また、VALORANTはハードウェアIDでアカウントをBANすることが可能ですので、皆さんがどのPCでプレイし、アカウントをいくつ持っているかは分かっています。

スマーフには「フレンドとランクをプレイしたいから」といった動機が最も多いのですが、それを改善するため、「5人パーティー」のシステムを導入しました。

実際、アップデート後に確認してみると、スマーフの数を減らすことに成功しました。そして現在は、「スマーフが如何に早く本来いるべき正しいランクに移動させるか」に取り組んでいます。「一瞬でスマーフを検出できるシステム」ではないため時間はかかりますが、「ランクをプレイできないようにする」といったシステムは導入したくありません。

私たちはスマーフを防ぐため、皆さんにお知らせしていないようなことも含め様々な取り組みを行っています。今回の私のコメントを読んで、開発陣がスマーフ対策に向けどれだけ真摯に取り組んでいるか、良いイメージをお持ちいただけると嬉しいです。

また秘密情報ですが、北米では新たなスマーフ検出システムを導入しました。非常に優秀なシステムで、新たな解決策の1つになることを願います。

今年1月にはメールアドレスによる二要素認証を実装しましたが、その目的はハッキングやフィッシング対策など、セキュリティ強化に焦点が当てられてます。今回のコメントを見る限り「ユーザー数」を重視する印象が見受けられ、数少ないスマーフのために電話番号による認証を導入するよりは、システム面でスマーフ対策を行っていく意向が感じられます。

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