先日、2024年シーズンに向けた新ロスターを発表したREJECT。Akame、GangPin、mutoと3人の選手を新たに迎え入れ、日韓混合ロスターを結成しました。

そこで当サイトでは新加入した3人の印象やトライアウトの取り組み、今後の目標などについて、FlameコーチとリーダーのFlax選手にお話を伺いました。

この度はインタビューの機会を頂きまして、ありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。

Flame:よろしくお願いいたします。REJECTの VALORANT部門コーチを務める Flameと申します。

Flax:REJECTのVALORANT部門リーダーを務めるFlaxと申します。よろしくお願いいたします。

先日、来シーズンに向けたロスターを発表されましたが、既存選手と新たに加入した選手含め各メンバーの魅力を教えてください。

Flax:まず、BRIANに関しては、昨年から共にプレイしてきました。VCJ 2023 Split 1の活躍を見てもらうと分かると思いますが、かなりポテンシャルがある選手で、現在18歳と若く、大きな可能性を秘めていると感じています。勢いに乗っている時の強さなど、そういった点が魅力です。

多くの練習をこなす選手で、黙々と他の人よりランクをたくさんプレイするなど、目に見えないところで努力できるところが魅力の選手です。

新加入の1人目として、mutoの第一印象としては、FPSにおける基礎的なものをここまで意識してプレイできる選手がいるのかと驚かされました。VALORANTの歴史が短い分、そういった考えが定着している選手は少ないので、国内でもかなり貴重な選手だと感じています。ここぞといった時のクラッチ力も非常に高く、少人数戦でも頼りになります。

2人目に加入したAkameは、トライアウトの時からフィジカルが非常に優れていました。もちろん、立ち回りも優れているのですが、それに目がいかないくらい高いフィジカルを持っています。

人間性の面でも、周りの選手を巻き込むぐらいエネルギーに溢れています。以前朝9時から丸1日かけて宣材写真の撮影がありましたが、疲れる選手も多い中、音楽を聴きながら踊るくらい元気のある選手で、それにつられて皆にも笑顔が溢れていました。チームのムードメーカー的存在です。

また3人目のGangPinは、トライアウトの時からなんでも器用にこなすといった印象でした。チームの穴を埋めるプレイや、チームとして求められたことをこなしながらも安定した火力を出す、プロとしてのポテンシャルが感じられました。

昔デュエリストをやっていたこともあって、安定したパフォーマンスを発揮できるところが魅力だと感じています。また性格面でも雰囲気がかなりよく、メンバーから可愛いと愛でられています。Akameとはまた違った面でムードメーカーですね。

日本人選手3名、韓国人選手2名の日韓混合ロスターとなりますが、コミュニケーションの言語は日本語でしょうか?

Flax:そうですね。日常会話も日本語で行っています。言語面での心配はないと感じています。

メンバーを見ていると、それぞれのエージェントプールもかなり広く、どんなことにも対応できる柔軟性が感じられるロスターです。

Flax:ロールごとでメンバーを集めたというよりは、トライアウトを通して魅力的な選手を集めたらこのメンバーが集まりましたといった感じですかね。結果的に集まったメンバーとはなりますが、今後メタが変わったりしても、チーム内でのロールチェンジはかなり柔軟に行えると考えています。

すでにロールなどは決定しているのでしょうか?

Flax:現時点ではBRIANがメインデュエリスト、Akameがフレックス、GangPinがメインイニシエーター、mutoがコントローラー、僕がセンチネルといった構成になります。しかし、今後変わる可能性もあります。

昨年チェンバーなどを起用していたBRIAN選手がデュエリスト、muto選手がコントローラー、Flax選手がセンチネルなど大きく変わりますね。

Flax:そうですね。BRIANに関しては昨シーズン時点で高いポテンシャルが感じられたことに加え、本人もデュエリストに対してかなり意欲的な面もありました。チームをキャリーしたいといった強い意志もあったので、そういったところをくみ取って、メインデュエリストは彼に任せようとなりました。

Flax選手の過去の公式戦を見る限り、センチネルは今回が初になりますね。

Flax:そうですね。コミュニティ大会のUTAGEで一度出したことがあるのですが、全部のロールを経験してきた中で一番経験がないロールになると思います。個人的にもどういった化学変化が出るのか、すごく楽しみにしています。

ここまで4人の選手を紹介してもらいましたが、 Flame コーチから見たFlax選手の魅力を教えて下さい。

Flame:非常にクレバーであることに加え、リーダーとしても統率力が高く、IGLとしても非常に優秀です。フィジカルが高いところも魅力の1つです。ゲーム外でも誰よりもストイックに練習するところが、プロ中のプロだなと感じさせられます。

先程ロールについてお聞きしたと思いますが、今回彼には初めてセンチネルを担当してもらいます。コーチ陣から見ても、センチネルは彼のプレイスタイルに非常に合っていると感じるので、今後のFlaxに乞うご期待です。

またFlameコーチから見た、新ロスターの感触はいかがでしょうか?

Flame:やはり各々のパワーが高いといった面は見ていて本当に感じます。まだ戦術が完全に浸透しているわけではないのですが、不利的状況下になっても個人の実力でラウンドを取得するシーンがよくあります。

これからの練習でさらに強くなりますし、個々の実力も今以上に伸びていくと思いますので、今以上の強力なロスターになると信じています。

フィジカルが高いメンバーが集まったということもあり、このメンバーなら上を目指せるぞ!といった信頼感が互いに生まれています。走り出しの段階なので、これからいろいろ問題も出てくると思いますが、お互いに信頼感があることはチームとして非常に良いことなのではないかなと感じています。

過半数を入れ替える大幅な再編となりましたが、チームのコンセプトなどありますか?

Flame:ロスターを組み立てていくうえでの方針として、リアルスポーツでも導入されるゲームモデルというチームの共通概念を設定しました。

今までの選手たちの活動を見ていると、チーム活動を行った後のコーチからのフィードバックがコーチたちの主観によるものが結構多く、なかなかチームとして積み上げていくことが難しいといった問題がありました。

そこで、チームを1つに意思統一させる共通概念を定めました。来シーズンはそれを活かして、統率が取れるかつ練度が高いチーム作りを目指しています。

現在REJECTには3名のコーチ陣がいますが、どのような役割になっているのでしょうか?

Flame:まず、ヘッドコーチはKeNNyさんが担当しています。役割としては部門全体のマネジメントやジャッジなど最終決定権を持っております。選手のメンタルケアなども行っています。

僕(Flame)がリーディングコーチという形で部門の方針共有や選手の実力を伸ばすといったミクロを見ています。またタクティカルコーチとしてmikkeさんはVALORANTにおけるもっとも重要な戦術などを担当しています。

先日、KeNNyヘッドコーチが「スキルだけでなくフィードバック時の態度やどれだけ改善できるかなども評価基準として取り入れた」と Twitterで仰っていました。そのトライアウト方法で何か手ごたえなど得られましたか?

Flame:フィードバック時の態度やどれだけ改善できるかなども評価基準として取り入れたこと。REJECTでは、コーチ陣の育成も今年のテーマの1つという背景があります。

トライアウト実施前にコーチ陣がトライアウト用のコンセプトを用意し、それを選手たちに事前に共有することで、より実践に近い形で行うことができました。選手1人1人の特性や個性を見ることができ、自分たちが求める人材を選出することができました。

毎日少ない時間で質の良いフィードバックを行う必要があるので、能力の高い様々な選手たちに対して実践を繰り返すことで、コーチ陣の能力を向上させる良い機会になりました。

選手たちの適性をトライアウト時点で知ることもできますし、ロスター正式決定後にいち早くスタートダッシュを切ることもできました。

また、選手たちの相性がどの程度マッチするかなど、そういった面も注視しました。長く活動していると人間的な部分がどうしても出てくるため、それが歪みとなってしまう問題も実際にあり、そういった点も含めて、昨シーズンの失敗を反省に、コーチやリーダーのFlaxと共に、どのような人材が欲しいかを徹底的に話し合い、実力に加え、人間関係や雰囲気などを基準に取り入れました。

なるほど。人間性にも加え、エージェントプールも広い選手が集まっているので、メタの移り変わりにも柔軟に対応できそうですね。

Flame:VALORANTの国際大会で連覇したチームはFNATICくらいで、そういったところを継続的にアップデートできるチームが強いと思っています。今回集まったメンバーはエージェントプールが広い選手が多いので、様々な環境に適応することができると思います。

また、かなり内容が練られたトライアウトのように見えますが、どのようなスケジュールで行っていたのでしょうか?

Flame:まずトライアウト開始時間になったらその日のスケジュールの共有を行い、その後にチームコンセプトの共有を行います。トライアウトで集まったメンバーにカスタムで作戦合わせなどを行ってもらい、セットプレイができるようになったら、軽いウォーミングアップを行い、その後にスクリムを行います。

スクリムを終えたら、その日のうちにフィードバックを行います。次の顔合わせでそのフィードバックをどれだけ修正できたか、良くなってきたかを確認しました。そのため短期間での成長率なども見ることができました。

トライアウトのやり方、ゲームモデルをどれだけ落とし込めるか、短時間でどれだけ理解してもらえるかといったところも評価基準に入っていました。自分たちが作ってきたものを、どれだけ早く忠実に再現できるかといったところもあります。

ちなみにですが、トライアウトにはどれほどの人数が集まったのでしょうか?

Flame:応募フォームから実際にトライアウトに進んだ方と、お声がけさせていただいた方も含めると、だいたい30人から50人だったと思います。結構な数の選手を見させていただきました。

VCJ 2023 Split 2で早めに敗退してしまったこともあり、来季に向けて立て直すにあたり、かなり早い段階から準備を進めさせていただきました。他チームに比べると、トライアウトに多くの時間をかけることができたのではないかなと思います。

お声がけと言いますと、応募フォームでの募集の他にスカウティングも行っていたのでしょうか?

Flame:そうですね。募集フォームに加え、僕たちの方から気になった選手にお声がけさせていただくスカウティングの2つのアプローチを行っていました。しかしどんなに優秀な選手であれ、フィット感を確かめることが必須です。フィードバックの改善率などを軸に置いていたので、トライアウトでしっかりと確認させていただきました。

新たに加入した3人のトライアウト時の印象などはいかがでしたか?

Flame:GangPinは撃ち合いが制限されるロールながら高いパフォーマンスを発揮し、時にはチームを和らげる独特の雰囲気を持っています。この選手凄すぎじゃないか?と思えるくらい素晴らしい選手だと感じるものがありました。

Akameについては、トライアウトからフィジカルが強力でした。誰よりもゲームに対する情熱を持っており、ゲーム内でもゲーム外でもその場にいるだけでチームに良い影響を与えてくれる、FPS界隈でも珍しい選手だなと感じました。

mutoに関しては、トライアウトに参加してくれた初日の1ゲーム目からその上手さが感じられました。Jadeiteさんに所属していた時よりもフィジカルが成長しており、努力家な一面も評価しました。しかしこれ以上にもっと強くなれる選手だなとトライアウトの数試合を見て確認しています。これからの成長が楽しみな選手です。

浮き沈みがあった昨シーズンの反省を踏まえ、今回はどう変えたのか、何を変えたのかなどあれば教えてください。

Flame:昨シーズンは、選手間の関係値づくり、フィードバックの方法、部門の進め方すべてにおいて実力不足だと感じました。全てを言うことはできませんが、フィードバックの質の向上は長い期間のトライアウトを経てコーチ陣の中で非常に強化されました。

少し話はそれますが、海外で参考にしているチームなどはありますか?

Flame:戦術面を担当しているのはmikkeさんなのですが、1つのチームを参考にしているといったわけではなく、ある時期はNRGで、またある時期はFNATICとかですね。このチームはこのマップが強いなといったことが分かってくるので、それぞれを分析する形です。言い換えれば良いとこどりのような感じですね。

REJECTは昨シーズン、メタから外れたチェンバーピック、2コントローラー採用など行っていました。そういったところも海外シーンから取り入れているのでしょうか?

Flame:当時コントローラーが得意な選手が2人チームにいたので、2コントローラー構成を採用するマップもありました。またデュエリストよりチェンバーのポジションの方がBRIANの個性に合っていたので、そのような作戦を取っていました。

ありがとうございます。来年は、インターナショナルリーグとチャンレジャーズリーグで選手を貸し借りできるローンシステムが導入されます。このシステムは前向きにとらえていますか?

Flame:いろいろな議論がなされているシステムですが、自分の中の認識ではインターナショナルリーグの6人目を腐らせないためにあるのではないかなと感じています。Riot Gamesがなぜこのシステムを設けたかあまり深くは議論されていないとは少し感じますが、実際どうなんですかね(笑)。

そもそもVALORANTは5人で強くなっていくチームゲームですので、あまり選手の貸し借りが頻繁に行われることはなさそうだなと感じています。コミュニティ的にも気持ち的に見づらかったりする部分も出てきそうだなと思っています。

ありがとうございました。では最後に、今後の目標をお聞かせいただいてもよろしいですか。

Flax:インターナショナルリーグへの出場権獲得を目指し、国内優勝を目指します。応援よろしくお願いいたします。

Flame:直近は、Red Bull Home Groundの日本予選優勝からオフラインの本戦進出を目指しています。そして来年はVCJ優勝からアセンショントーナメント優勝、インターナショナルリーグ昇格という最終目標に向け、毎日の練習の経験値を積み上げながら1歩ずつ階段を上っていきます。皆さん応援よろしくお願いいたします。

9 コメント

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  1. フィードバックの改善だったりローンシステムについての意見だったり、面白い記事だった

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  2. こういったインタビュー記事見るだけでこれまで興味なかったチームも応援したくなってくるので、アポ取りとか大変だと思うけどこれからも続けていって欲しいな

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  3. Flameがんばれ

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  4. RC応援します。
    対談動画のブライアンかわいい。好き。

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  5. 我々サドンアタック出身は最強スナイパーnabd flameを応援します

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  6. 太っていると色々な機能が低下するので変えた方がいいですよ

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  7. mutoが基礎徹底してるのもArtに仕込まれたんだろな

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  8. ブライアンさんマンブー騒がれた時にこれだけ練習してても文句言われるのかってツイートしてたのに、目に見えないところで努力できるところが魅力ですか笑

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  9. 当時INSにボコされたHXメンバーはsakurai flax brofeldとか結構色んなところで名前聞くけど逆にINSはsmth以外一切名前聞かないの面白いな

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