オーストリアを拠点に活動するeスポーツチームのAcendが、VALORANTの競技シーンの構造的問題を指摘する長文の声明をチームの公式Xで投稿しました。チームは「VALORANTでの物語をこんな形で終わらせたくはありませんでした」と前置きしながらも、「このシステムがどれほど壊れているかを多くのファンは知らない」と、Tier2への強い危機感を示しました。

「私たちは、VALORANTでの物語をこんな形で終わらせたくはありませんでした。しかし、こうするしかありませんでした。もしあなたが『このシステムがどれほど壊れているか』を知ったら、きっと衝撃を受けるでしょう。これが、誰も声を上げようとしない『真実』です。そして忘れないでほしいです。私たちを評価する時は、尖ったツイートではなく『行動』で判断してください。」

「私たちは長い間、VALORANTの競技シーンを支えてきました。Tier2、Tier3の競技シーンが地に落ちていったときも、戦い続けました。フランチャイズチームに選ばれるとは思っていませんでしたし、別に怒ってもいません。ただ、Tier2の環境は最悪でした。それでも私たちは戦い続けました。私たちを笑おうと、煽ろうと、侮辱しようと、気にしません。私たちが懸念しているのは、Tier2で選手やチームが『生き残れるかどうか』です。VALORANTというeスポーツが、Tier1だけではなく『みんなのもの』であり続けることを願っていました。」

「ほとんどのファンは、このシステムがどれほど壊れているかを知らないと思います。このシーンは機能していません。持続可能でもありません。そして近いうちに、私たちが『無駄にした』金額を公開します。フランチャイズの外では、VALORANTは『情熱』だけで生き延びているのです。CEO、編集者、SNS担当、選手、コーチ、キャスター、みんなが『最低限の給料』を受け入れて、なんとかシーンを保っているのが現状です。給与は地獄の底に落ち続け、さらに大会賞金は支払われません。私たちもまだ受け取っていません。」

「それでも私たちは残り続けました。良くなると信じていたからです。ゲームのため、ファンのため、コミュニティのために信じていました。何度も、何度でもそれを証明してきました。私たちはブートキャンプ、メンタルコーチング、フルスタッフのコーチ陣、VALORANT特化のコンテンツチームに投資しました。ゲーミング施設も作りました。『ただのTier2なのに』。」

「配信が崩壊したリーグでも戦い続けました(関連記事)。時には配信すらありませんでした。賞金も支払われませんでした。Tier1以外のチームにとって必須とも言えるベッティングスポンサーとも契約できず、ウォッチパーティーではスポンサーを載せることも禁止されました。それでも私たちはVALORANTのためにコンテンツチームを作り、複数のクリエイターと契約し、ショート動画も長尺動画も投稿し続け、人気ポッドキャスト番組も作りました。」

「Game Changersにはゼロから支援し、安定してトップ3に入るチームに育てました。私たちは常に結果で語ってきました。しかし、どれだけ結果を出しても、継続は不可能でした。Game Changersは、運営面では完全な失敗でした。どれだけ活躍しても、財政的には破綻状態です。もちろん賞金だけで運営できるわけではありません。しかし、すべて勝ったなら少なくともトントンになるはずです。」

「Game Changersの大会配信は最悪でした。音声は壊れ、配信はカクつき、スポンサーへの売り込みなんて不可能でした。賞金も少なく、国際大会のヨーロッパ枠はたったの2つでした。Riot Gamesは気にしていないんだと思います。私たちはGame Changersのためにさらに30万ユーロ(現レートで約5,400万円)を投入しましたが、何も残りませんでした。」

「それでも続けたのは、ファンと選手のために『意味のあるものを築いている』と信じていたからです。結局、悪いのは私たちです。本当はもっと早く撤退すべきでした。予算の半分を節約し、Counter-Strikeに投資する余裕ができていたかもしれません。スポンサー獲得に注力し、営業チームを拡大すべきでしたが、代わりにチームそのものへの投資を優先してしまいました。可能な限りの最高の選手を集めました。それがファンへの義務だと信じていたからです。」

「リーグ開幕から2年目には、Riot Gamesはアセンション優勝チームへのフランチャイズ加入期間を2年→1年に削りました。これはすべてのTier2チームへの侮辱でした。その1年後、新しいルールと新しい条件が導入され、またシステムが変更されました。フランチャイズ外のチームが、こんな『常に変わるシステムの中』でどうやって未来を築けるのでしょうか?」

「この話を共有することで、同じ過ちを犯すチームが少しでも減り、より価値のあるタイトル・システム・イベントに投資してくれることを願っています。私たちは2年間で150万ユーロ(約2.7億円)を、この壊れたシーンに費やしてしまいました。Riot Gamesがeスポーツとコミュニティを愛し、改善すると信じていたからです。」

「『VALORANTは簡単だった』なんて言うべきではありませんでした(関連記事)。いや、絶対に言うべきだったと思います。少しくらい茶化したっていいと思います。少しくらい尖ってみたっていいと思います。壊れたシーンを指摘し、怒りをぶつけ、光を当てる権利が私たちにはあります。チームイメージが多少傷ついても構いません。少なくとも人々の目に触れた、議論が起きた、それで少しでも変化が生まれる可能性があるなら、どんな投稿も、どんなジョークも、どんな愚痴も、すべてが価値のあるものだったのです。Peace。」

13 コメント

  1. ACENDを責めれない 今のTier2は確かにおかしい
    日本のTier2は世界的に見てめちゃくちゃ恵まれてるが

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  2. 俺気づいちゃったわ。
    Acendが日本で部門を立ち上げればいいんだよ。
    数千万もあれば最高のチームを作れる。外国人選手を2人くらい混ぜて、しっかりとコンテンツも作れば、自国でも日本でも人気が出る。最高じゃない?

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    1. オーストリアと日本に時差がなければその理屈も通るかもね

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    2. 結局日本のtier2年俸がレベルに対して高過ぎるから作ったとて、acendjpに比べて他のチームの方がお金貰える~って選手が流れていって終わりだと思うよ。

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  3. 必ず利益が得られる投資なんてないから…

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  4. まさかアセンション勝っても1年になるとは思わなかったけど、形式見りゃtier2はtier1のために選手育てるための存在でしかないのわかるやろ…
    まじでtier2でプロチームの運営してるとこ頭イカれてると思う

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  5. サッカーやチェスは誰のものでもないけどvalorantは明確にriotのものなんだから他の競技と同じ論理で語ろうとするのがおかしい

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  6. Tier1の試合すらまともにできてなかったのに、Tier2が良い環境な訳がない

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  7. EMEA今年だけでもゴミPing環境、Koiの突然の降格と色々やってるし大分見限られてそう

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  8. Game Changersボロクソ批判されてて笑う
    カイリキーが無双するだけで誰も見てないしやる意味ある?

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  9. 言ったところで今更Riotに変えられるだけの金も行動力もない
    シーズンが1年単位である以上、数年単位での投資の成功があれば失敗もある(選手の取得だって同じようなものだし)し、ご愁傷様とは思うけど異質だとは思わないな

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  10. ぶっちゃけvalorant自体の売り上げが上がらないと改善出来ないんじゃない
    他でいい評価受けてるeスポーツってほとんど人気が頂点レベルだろ
    ゲームって結局1企業のコンテンツなんだからまず売り上げがないと意味ないんよな

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  11. 一度もTier1行ったことないから1年2年も関係なくてわろた

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